主人公はキーエンブレムを求め、オルフェアの町にやってきた。
オルフェアには団長「ナブレット」が経営するサーカス団がある。
ナブレット団長はオルフェアの町長でもある。
このサーカス団は今日で15周年を迎える。
今日行われるサーカスは、15周年の記念にオルフェアの子ども全員無料。
町中の子どもがサーカス小屋に集まっていた。
ナブレット団長がステージの上で言った。
「このサーカス小屋にいる子どもたちを、一瞬にして、消してご覧にいれましょう。」
その時、サーカス小屋は真っ暗になった。
明かりがついた時、子供は皆消えていた。
ナブレット団長の姿もない。
ナブレット団長の声だけ聞こえる。
「残念ながらオルフェアの子どもたちはもう戻ってはきません。」
「これにてサーカスはおしまい」
主人公と、オルフェアの町の警部「パクレ」は誘拐された子どもたちを探すことになった。
サーカスの団員にナブレット団長が行きそうな場所を聞いてみる。
「ナブレット団長が言っていた、例の旅人はもしかしたらこいつかもしれない。」
そう言って、団長が「銀の丘」にいるかもしれないと教えてくれた。
銀の丘にナブレット団長がいた。子どもたちも一緒だ。
「おまえらを家に帰す訳にはいかない。」
団長はそう言うと、丘の上にある青く光り輝く「扉」の中に閉じ込めてしまった。
この扉は、異次元につながっているようだ。
「この扉は、開くべき運命の時にのみ開く不思議な扉だ。そう死んだ妹が言っていた。」
「おまえさんとはオルフェアでまた会うことになるだろう。」
ナブレット団長はそういうと、オルフェアに向かっていった。
オルフェアの町に戻ると、空が不気味な色になっていた。
空から不気味な声が聞こえてくる。
「今日で15年目だ。約束の15年目だぞ、アルウェ。」
「この悪魔ザイガスとの契約、忘れたとはいわせんぞ!」
悪魔ザイガスが現れた。
「オルフェアの子どもたちの命、すべてこの私に差し出してもらおうか!」
ザイガスが辺りを見回すと、子供が一人もいないことに気がつく。
「だましたな!アルウェ!!」
そこにナブレット団長が現れる。
「驚いたな。なにもかもアルウェが言ったとおりじゃないか。」
「オルフェアの子供は全部このナブレットが連れ去った。」
ナブレットが主人公に囁く。
「オレがあいつをミュルエルの森までおびき出す。フォステイル広場でアイツを倒すんだ!」
そういい、ザイガスをおびき出しながら逃げていった。
主人公はミュルエルの森にあるフォステイル広場に向かった。
フォステイル広場には四術師の一人、フォステイルの像があった。
悪魔ザイガスは、いつもより力が半減している。
フォステイル像が悪魔の力を弱めているようだ。
主人公は悪魔ザイガスを倒した。
「やはり15年前、子供をすべて食べておけばよかった。」
そう言うと、悪魔ザイガスは消滅した。
ナブレット団長が経緯を語りだした。
「こいつは、俺の妹の遺言なのさ。俺にはアルウェっていう年の離れた妹がいてな。」
「何年も前に死んでしまったんだが、性格もほがらかないいやつだった。」
「あいつはガキのころから先のことが何でもわかってしまう不思議なチカラを持っていたんだ。」
「そのアルウェが俺にこういった。ケーキ屋の俺にサーカス団をやれと。」
「15年後に銀の丘に来る旅人はすごく強い。その人なら悪魔ザイガスも倒せる。」
「お兄ちゃんはサーカス団を始めるの。それで15年経ったらオルフェアの子供をみんなさらってね。15年目に来る旅人に力を借りてね。」
ナブレット団長と主人公は銀の丘に子どもたちを迎えに行った。
銀の丘に着くと、丘の上にある青く光り輝く「扉」が開いた。
中から子どもたちが出て来る。
「言ったろ?この扉は開くべき運命の時だけ開くって。」
子供が団長に聞いた。
「どうしてオルフェアの子どもたちを悪魔は食べようとしたの?」
ナブレット団長は昔話を始めた。
「15年ほど前の話。妹アルウェには未来のことがわかる不思議な力があった。」
「ある日アルウェは、銀の丘に行かなければならない予感がした。銀の丘にある扉が自分を呼んでいると思ったのだ。」
「銀の丘に着くと、不思議な扉があり、扉は勝手に開いた。アルウェは中に入り、四術師の一人フォステイルからなんでも願いが叶うノートをもらった。」
「ノートに書ける願い事は3つ。ただし、3つ目の願いを書いた時、願いを書いたものは破滅する。フォステイルはそう語った。」
アルウェは、ノートにこう書いた。
「本物のお姫様になりたい。」
願いは叶った。
次の日、メギストリス城から使いが来て娘を王の妃に迎えたいと言われた。
それからアルウェはメギストリス王妃として幸せに暮らしていた。
ある日、アルウェの前に悪魔ザイガスがやってきた。
「お前は予知の力を持つ娘アルウェだな?」
「この大陸のどこかにプクリポの救世主が生まれているはず。そいつの居場所を予知してもらおう。」
「予知しないならお前を殺し、プクリポの子どもたちを全員食ってやる。」
アルウェは、世界に恐るべき災いが迫っていることを悟った。
そして、不思議な力で、プクランド大陸にはまだ救世主が生まれていないことを知った。
「救世主はまだ生まれていない。これから15年の間にオルフェアのどこかで生まれる。」
「15年間、絶対にオルフェアの子どもたちに手を出さないと約束して。15年経ったら、食べてもいいから。」
アルウェは悪魔と契約を交わした。
アルウェは1年後、一人息子のラグアス王子を生んだ。
その後、アルウェは悪魔と契約したせいで、ひどい死に方をしてしまう。
住んでいた家もろとも、一晩でミイラみたいに干からびて死んでしまったのだ。
アルウェが3つ目の願いをノートに書いたかどうかはわかっていない。
アルウェは兄のナブレット団長に、15年後オルフェアの子どもたちを誘拐して隠しておいてと頼んだ。
その間に強い旅人が現れて、悪魔ザイガスを倒してくれるからと。
そのにパクレ警部が遅れてやってきた。
怪しい扉を見つけて調べようとすると、扉に閉じ込められてしまった。
主人公がサーカス小屋に行くと、ナブレット団長から「白のキーエンブレム」をもらった。
主人公はメギストリス城に向かった。
そこには、四術師の一人フォステイルがいた。
メギストリスの王「プーポッパン王」の体調がすぐれないようだ。
プーポッパン王は、何らかの理由で魔瘴(ましょう)に触れ、自分の命が短いことを悟っていた。
王の傍らには、腹心のイッドがいる。
「私も王にお仕えする前はレンダーシアの地で魔瘴の研究をしていました。」
「このまま何もしなければプクランド大陸各地に現れた魔瘴が大陸を滅亡に導くことは承知しております。」
「ですが、王が自ら儀式を行わなくても、もうひとり血を受け継ぐものがいるではありませんか。ラグアス王子が。」
王は自らの命を賭して「儀式」を行い、魔瘴の脅威からプクランド大陸を救おうとしていた。
そこに、フォスティルがやってきて言った。
「その必要はありません。」
「そのお身体ではもとより儀式の塔に向かうのは無理でしょう。」
「僕の予知では儀式の塔に向かえば取り返しのつかないことになる。」
「魔瘴の脅威から国を救いたければ、亡くなられたアルウェ王妃のノートを探すより他にないのです。」
「アルウェ王妃のノートはこの国のどこかに眠っているはずです。」
フォステイルの予知を信用しないプーポッパン王。
フォルテイルを追い出してしまった。
プーポッパン王は、主人公の姿を見つけるとこう頼んだ。
「キラキラ大風車塔の儀式の間に恐ろしい魔物が棲みついている。儀式を行えるよう魔物を討伐してきてくれ。」
イッドの部下たちと一緒にキラキラ大風車塔の儀式の間に向かった。
儀式の間に着いた。しかし、魔物の姿はない。
その時、イッドの部下たちの姿が魔物に変わった。
部下たちは、「魔兵ピプノス」と「魔兵タナト」という魔物だったのだ。
儀式の間に魔物が出ると噂を流したのも、イッドの部下たちだった。
この儀式の間に生贄を捧げるために。
主人公は「魔兵ピプノス」と「魔兵タナト」を倒した。
メギストリス城へ戻り、プーポッパン王に報告するが、王は主人公の言葉を信じない。
王の間を追い出された主人公は、フォステイルに呼び止められた。
「君の力を貸して欲しい。」
「僕は、ずっと昔から予知していた。いずれ大いなる災いに見舞われるとき、旅人が現れてこの国を救うだろうと。」
「一緒にアルウェ王妃のノートを探してくれ。」
主人公はノートの手がかりを探すため、アルウェ王妃が亡くなった場所、リンクル地方の別荘に向かった。
リンクル地方の別荘には、銀の丘にあったのと同じような不思議な淡い光を放った「扉」があった。
すると扉が開き、中からアルウェ王妃の魂が現れた。
フォステイルと主人公は、扉の中に入った。
すると、アルウェ王妃の記憶が流れてくる。
アルウェは2つ目のお願いをノートに書いている。
「プクリポのみんなを救っちゃうようなイケメンな男の子があたしの息子に生まれますように。」
その時、フォステイルが背中に背負っている「リュート」が消えてしまう。
またアルウェの記憶が流れる。
ラグアス王子が、父親に嫌われていると泣いている。
王子は、自分が予知した未来のことを父親に言ったら二度と予知をするなと怒られようだ。
泣いているラグアス王子にアルウェ王妃は「宝物をあげる」といった。
「でも、今じゃないよ。私が死んじゃったら宝物をあげるからね。」
また、違う記憶が流れる。
アルウェが3つ目のお願いをノートに書いている。
「ごめんなさい、先に行って待ってるね。」
フォステイルは、アルウェ王妃にノートを渡した記憶がないという。
一体なにが起きているのか。
すると、フォステイルのリュートを持ったアルウェ王妃が目の前に現れた。
そしてリュートをフォステイルに渡すと、消えてしまった。
気が付くと扉の外にいた。
ラグアス王子に会うため、フォステイルと一緒にメギストリス城に向かった。
メギストリス城の王子の部屋の扉は、不思議な淡い光を放っている。
扉の中に入ると、ラグアス王子の記憶が流れてくる。
ラグアス王子は母親が死んでしまうのを、予知で知っていたようだ。
そのことを父親のプーポッパン王に話すと、王は怒って二度と姿を見せるなと怒鳴った。
それから、ラグアス王子は1年間、自分の部屋に引きこもった。
アルウェ王妃のノートをラグアス王子が持っている。
この先、辺境の地に視察に出かけたプーポッパン王が魔瘴に侵され死んでしまうのをラグアス王子は予知していた。
そして、プクランド大陸も魔瘴によって滅ぼされると。
ラグアス王子は、父親を、そしてプクランド大陸を救うため、ノートに願い事を書いた。
すると、フォステイルの身体が光り輝く。
「そうだ、僕はあの日、予知した未来を父さんに伝えたくて、この国を、父さんを守りたくて。」
「ノートにこう書いたんだ。英雄フォステイルになりたいって。」
「僕の本当の名前は、ラグアス。僕はノートの力でフォステイルになり、王に予知した災いを告げた。」
そのとき、王の腹心「イッド」が現れた。
そしてイッドは「魔軍師イッド」という魔物に姿を変えた。
魔軍師イッドはプーポッパン王が儀式の間に向かったことを告げた。
穢れた儀式で王家の血が捧げられると大陸中に呪いが撒き散らされるというのだ。
イッドはそう言うと姿を消した。
主人公とラグアス王子は急いでキラキラ大風車塔の儀式の間に向かった。
儀式の間には、プーポッパン王と魔軍師イッドがいる。
「あとは王さえ死ねば呪いの力はプクランド大陸全土をさらなる魔瘴と災いで包み込む。」
危機一髪のところで、ラグアス王子と主人公が到着。
主人公を見つけると、魔軍師イッドが襲いかかってきた。
主人公はイッドを倒した。
「だが、もうすでに手遅れ。王の命はじきに尽きる。王は死に、儀式は失敗し、プクランド大陸は滅びるのだ。」
イッドはそう言うと消滅した。
プーポッパン王は衰弱し、息子のラグアスにプクランドを頼むといい息絶えた。
ラグアス王子は、2つ目の願いをノートに書いた。
「プクランド大陸から魔瘴が消え去りますように。」
魔瘴の脅威は去った。これ以上プクランド大陸の民が苦しむことはない。
ラグアスはノートに3つ目の願い「父親のプーポッパン王を生き返らせて」と書こうとした、その時。
アルウェ王妃の声が聞こえてきた。
「ノートさん、いつかラグアスが3つ目の願いをノートに書こうとした時、ノートが消えてしまいますように。」
ノートは消え去った。
アルウェ王妃が死んだのは、ラグアス王子のためだったのだ。
「僕は両親の心に報いるため、これから国のために尽くします。」
ラグアスと主人公はメギストリス城に帰った。
主人公はラグアス王から「紫のキーエンブレム」を貰った。
僕にはあなたの未来が見えました。
「やがてあなたは大いなる運命に導かれて世界を救う。」
しばらくして、ラグアス王は「フォステイルの伝記」を見つける。
伝記にはこう書いてあった。
「500年前、自然発生した死を招く疫病が大陸全土で流行した。」
「500年前の王国、パルカラス王国の大勢の国民が疫病にかかった。」
「疫病の蔓延を恐れたパルカラス王は恐ろしいことに、疫病にかかった患者たちを次々に国から追放した。」
「その時、一人の英雄が立ち上がった。大陸一の呪文の使い手と呼ばれた王宮魔術師のフォステイルだ。」
「フォステイルはどこからか不思議な羽根を持ち帰り、羽根に宿っていた大いなる魔力を使い、国民の疫病を治した。」
「そしてパルカラス王の非道を正すため自らクーデターを起こし、パルカラス王と抵抗する兵を城から追放した。」
「そして、フォステイルはこの国の王になった。」
「パルカラス王の娘・メギストリス姫と兵士の家族を城に残こし、丁重に扱った。」
「やがて、フォステイルとメギストリス姫は恋に落ち、二人は結婚した。」
「そして、メギストリス王国が建国された。」
「追放されたパルカラス王は兵士たちに恐ろしい命令を下した。」
「パルカラス王と兵士は自害し、怨念でメギストリス王国を滅ぼそうとしたのだ。」
「フォステイルは、儀式の間で自らの命を捧げて怨念を封印した。」
ちょうどその時、チューザー地下空洞で500年前の国王「パルカラス王」が亡霊王となって出現したとの報告が入る。
イッドが儀式の間を汚したため、パルカラス王の怨念の封印が解けたのだ。
チューザー地下空洞でパルカラス王の亡霊を倒した。
主人公は二度に渡り、メギストリス王国を救った。
フォステイルの逸話はもうひとつ残されている。
銀の丘はもともと「バズズ」という魔物の住処だった。
フォステイルは、バズズに自分が勝ったら銀の丘から出て行くようにと勝負を持ちかけた。
勝負が始まってすぐ、フォステイルはリュートをつまびき、不思議な魔法で銀の丘全体を白い霧で包み込んだ。
霧が晴れると、辺り一帯は銀一色の世界に変わり果てていた。
そしてバズズの毛も銀色になった。
バズズは普通のシルバーデビルになり、フォステイルに敗れた。
こうしてバズズは丘から撤退したが、フォステイルの魔法は今でも銀の丘にかけられたままになっている。
主人公はその後、オルフェア地方西の南西にあるアトリエで「フォステイルの魔法のステッキ」をフェルアバの洞くつにいる魔物から取り戻してくれと、メロポネスというプクリポの男性から依頼を受けた。
魔物を倒し「フォステイルの魔法のステッキ」を手に入れた主人公は、メロポネスに魔法のステッキを銀の丘に持って来てくれと言われた。
銀の丘にステッキを持って行くと、丘の上にある不思議な扉が開いた。
扉の中に閉じ込められていたパクレ警部は、無事オルフェアに帰っていった。
そして中にはなんと、フォルテイルがいた。
「ここは、そうか。500年後の世界のようだね。」
「やあ、主人公。やはりまた会ったね。」
「フォステイルだよ。久しぶりだね。」
「その羽根が欲しかったんだ。私のステッキに付いているその羽根がね。」
「今の君が知っているかどうかはわからないが、それは君が私に託してくれた羽根だ。」
「その羽根に魔力が宿るまで500年間、私は待たなくてはならなかった。」
「ちょっと失礼するよ。」
フォステイルはそう言うと、主人公から魔法のステッキを受け取った。
「魔力を宿したこの羽根さえあれば、パルカラス王国の人々を救える。」
「そう、パクレ警部をこの扉に閉じ込めたのは500年の時を超えて、この羽根を受け取るための計画だったのさ。」
「パクレ警部を閉じ込めれば、君がこのステッキをここに持ってきてくれると予言で出ていたのでね。」
「感謝しているよ。主人公。」
そう言うとフォステイルは扉の中に消えていき、不思議な扉は再び閉まってしまった。