ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

王家の迷宮の物語

『地下1F』


謎の亡霊
「おお、この気配は生きた人間なのか。
ならばお前たちは新たな時代の勇者と盟友ということ。
輝かしくも忌まわしきあの時代からどれだけの月日が経ったのだろうか。」


謎の亡霊
「この迷宮をさまよう魂は深い未練を残してこの世を去ったグランゼドーラ王家ゆかりの者達。
そしてこの美しき迷宮は死者の魂が創った永遠の楽園。
いいえ、牢獄といったほうがふさわしい場所かもしれませんね。
あなた達にも迷宮の底にひびく悲鳴が聞こえるでしょうか?
あなた達も知るであろう、あのお方の痛ましい声が。」


『地下2F』


謎の亡霊
「おお、そなたらは勇者と盟友か。ならば今の時代は深い闇の中にあるということ。
神よ。人の子らに幸あらんことを。グランゼドーラ王国に栄光を。」


ルノー
「わしは王家の血を引く偉大なる彫刻家エルノーラである。
お前たちもグランゼドーラ城で剣を掲げる勇者アルヴァンとその盟友カミルの巨像を目にしていることだろう。
あれぞわしの大傑作。二人の英雄を象った、荘厳なるあの像がわしの名を確固たるものにしているに違いない。
しかし無念なのは完成後の式典を迎える前にハシゴから落ちてポックリ死んでしまったことよ。」


『地下3F』


謎の女の亡霊
「この迷宮をさまよう魂の中には長い時を経て自分が何者かすら忘れてしまったものもいます。
そういうものはやがて迷宮の持つ大いなるチカラに取り込まれ、挑戦者の行く手を阻む守人となるのです。
私もまた自分の名前さえ思い出すことが出来ません。
遠からぬうちに迷宮の守人となってしまうのでしょう。
けれど、ああ、何故かしら。あなた達を見ていると、何かを思い出せそうな気がして。
もしかしてどこかで出会ったことがあるのかしら。」


『地下4F』


謎の亡霊
「なぜあの方は我らのもとを去った。なぜあの方が死なねばならなかったのか。
私にはもう永遠になにも見えぬ。あの方はただひとつの光。」


エメリヤ
「そなたらは今代の盟友と勇者か。わらわはエメリヤ。
栄光あるグランゼドーラ王国の妃である。
我が息子、勇者アルヴァンは人の世を守るべく剣を振るい大いなる邪悪を討った。
我らの時代はアルヴァンに守られたのだ。
おお、どれだけの者が我が息子アルヴァンがグランゼドーラの国王となる日を待ち望んだことだろうか。
しかしその願いはかなわなかった。アルヴァンは平和な世を知ることなく命を落とした。
勇者アルヴァンは殺されたのだ。あの裏切り者によって。」


『地下5F』


謎の女の亡霊
「まあ、またお会いしましたね。
あなたたちに出会ったおかげでしょうか。私は少しだけ自分の生きた時代のことを思い出すことが出来たのです。
あの時代、世界は不死の魔王と呼ばれるものによって絶滅の危機にひんしておりました。
そんな中、不死の魔王を討ち、世に光をもたらしたのがその時代の勇者アルヴァンだったのです。
ですが、勇者アルヴァンは平穏な世を知ることなく死にました。
盟友カミルによって殺されたのです。
それを知った人々の嘆き、悲しみ、怒り、想像できるでしょうか。
当時グランゼドーラ城には勇者アルヴァンと盟友カミルの対になった美しい像が飾られていました。
アルヴァン亡き後、グランゼドーラの民が怒りに任せて城に押し寄せ、盟友の像を打ち壊したのは無理もない話です。」


『地下6F』


謎の亡霊
「無数の命を持つという不死の魔王は人々が何度挑み打ち倒そうと、その度に蘇り、あざわらった。
そんな不死の魔王に勝つすべを見出したのがアルヴァンの盟友カミルであった。
カミルは術者の魂と引き換えに不死の魔王を異世界に封じることが出来る禁忌の術の存在を見つけた。
そして自らその術を使うことを勇者アルヴァンに告げたのだ。」


謎の亡霊
「自らを犠牲に禁忌の術を使うと決めたカミルをグランゼドーラの民は賞賛しました。
カミルこそまことの英雄であると。
そして運命の出発の日、アルヴァンとカミルは盛大に歓送され不死の魔王の居城へ向かうはずでした。
しかしカミルはその姿をくらまし、出発の刻になっても現れませんでした。
カミルは恐れ、逃げた。皆そう悟りました。
するとアルヴァンは我らの制止を振り切って不死の魔王の居城へとひとりペガサスで飛び去ったのです。」


『地下7F』


謎の亡霊
「勇者アルヴァン様は不死の魔王の居城へ旅立ち、盟友カミルの代わりに禁忌の術を使われた。
術は成功し、不死の魔王の魂は肉体から切り離され、異世界に封じられた。
しかし、帰還したアルヴァン様の魂は術を使った代償に闇に侵されていた。
もはや我らの知るアルヴァン様ではない。
それゆえにアルヴァン様は残るチカラを振り絞り、自らを聖域とされるこの迷宮の底に封じたのだ。」


謎の亡霊
「ああ、私には聞こえます。無限の苦しみの中にいるアルヴァン様の声が。
迷宮の底から聞こえるあの方の悲鳴が。
アルヴァン様は盟友カミルの裏切りによって殺められたのです。
許せぬ、許せぬ。許すことは出来ぬ。」


『地下8F』


フェリナ
「私の名はフェリナ。私は許されるのでしょうか。
王女の身であるにもかかわらずグランゼドーラの意志に背いたことを。
追われる身となったあの盟友が闇に侵されたアルヴァン兄様の後を追い王家の迷宮へ入るのを手助けしたことを。」


『地下9F』


謎の女の亡霊
「またお会いしましたね。
私は長い間、自分が何者であるかも忘れ、この迷宮の世界でうつろに過ごして来ました。
まだ多くのことを思い出せませんが、あなたたちの勇気の輝きに触れたためか、やっと自分の成すべきことがわかりました。
生きていた頃、私はどうやら勇者アルヴァンに想いを寄せていた気がするのです。
アルヴァンは今もなおこの迷宮の底で苦しみの中にいるはず。
あの方を救い出さなくては。
どうか私を導いてください。この先へ続く暗黒の迷宮へ。」


『地下10F』


謎の女の亡霊
「ここまで導いてくださってありがとうございます。
よろしければ私の知る勇者と盟友の話を聞いてください。
盟友カミルは世に名を馳せた剣士でした。
あるときカミルはさる遠方の王国に招かれ、親善試合でウデを披露することになりました。
しかしカミルはその大切な試合の中で誤って対戦相手を殺めてしまったのです。
その上、不運にも相手は王族のものでした。
激怒した王は、カミルの首をはねようと剣を抜きました。
それを止めたのが招かれていたアルヴァンだったのです。
それがアルヴァンとカミルの出会い。すべての始まりでした。」


『地下11F』


謎の女の亡霊
「ここまで導いてくださってありがとうございます。
きっとあと少しで勇者アルヴァンにも会えることでしょう。
親善試合での事件でアルヴァンに命を救われた盟友カミルはそれをきっかけにグランゼドーラに仕えることになりました。
カミルは自らの命を救ってくれたアルヴァンを深く敬愛していたといいます。
あるとき、不死の魔王の手先が巧妙にグランゼドーラ城へ入り込み、アルヴァンの命を狙ったことがありました。
危ういところにあったアルヴァンのもとへ駆けつけたカミルは不思議なチカラを放ち、手先を退けたのです。
カミルに宿った勇者を助けるためのチカラ。
それをグランゼドーラの賢者たちは盟友の目覚めだと告げたのです。」


『地下12F』


謎の女の亡霊
「ああ、私はすべて思い出しました。
自分が何者であるかも、全部。
わかります。この先にアルヴァンがいる。
私、行かなくては。」


『地下13F』


アンルシアと主人公は、地下13F、深淵の間にたどり着いた。
深淵の間は闇の力で覆われ、中央に勇者アルヴァンが封印されている。


アンルシア 「まさか、あの人が勇者アルヴァンなの?」


そこへ、謎の女の亡霊がやってきて言った。
「アルヴァン!こんな、あなたはこんな姿で。
あなたのことを追ってきました。けれど、ここへたどり着くまでにあまりに長い時が経ってしまった。
覚えていますか?私です。カミルです。」


謎の女の亡霊は勇者アルヴァンの盟友、カミルだった。


「遠い昔、私は自らを迷宮に封じたあなたを救うためにこの迷宮に入りました。
けれど、迷宮の半ばで私は息絶えました。そして自分が何者かすらも忘れた迷宮をさまよう魂となってしまったのです。」


カミルがそういった時、勇者アルヴァンの封印が解かれた。
しかし、アルヴァンは闇のチカラによって我を失っている。


カミル 「今代の勇者と盟友よ。どうかあなた達のチカラを貸してください。」
 「生者であるあなた達の持つ勇気の輝きは魂のチカラ。禁忌の術で汚れてしまったアルヴァンの魂を救うことができるはず。」


アンルシアと主人公は、襲い掛かってくる勇者アルヴァンの闇のチカラを退けた。


勇者アルヴァンは正気を取り戻した。


アルヴァン 「カミル?」


カミル 「ああ、アルヴァン。あなたはあまりに勝手です。」
 「あなたは私の身代りになるつもりで魔王討伐の出立の日、私の竜笛を壊して立ち去ったのでしょう。」
 「不死の魔王を異世界に封じる禁忌の術を私に使わせないために。」


アルヴァン 「カミル、泣かないで。」
 「君は盟友としての使命に燃えていた。命を捨てて禁術を使うことにすら迷いがなかった。」
 「けれど、僕にはそれが受け入れられなかった。君を守るためなら命だって惜しくないと思った。」


カミル 「あなたは大馬鹿者です。本当に何もわかっていません。」
 「私は盟友の使命だと思って命を捨てる覚悟をしたのではありません。」
 「私だって、あなたの為なら命は惜しくなかったのです。」


アルヴァン 「そうか、それなら僕は、幸せな最後を迎えられた。」


深淵の間が光に包まれ、覆っていた闇が振り払われた。


アルヴァンとカミルは、手を取り合いながら天に登っていった。


アルヴァン 「あの子たちは、そうか、今代の勇者と盟友なんだね。」


カミル 「ええ、あの子たちもまた誰かと出会い、誰かと別れ、新しい物語を紡いでいくのでしょう。」
 「私達は見守りましょう。新しい時代の物語を。」
 「ありがとう、今代の勇者と盟友よ。」