ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

エピソード17 天翔る希望の双翼

主人公が賢者ルシェンダを訪ねると、大魔王マデサゴーラの居城「魔幻宮殿」の結界の調査が進んでいない様子だった。


魔幻宮殿の結界を突破するためのカギとなる伝説の天馬ペガサスの所在はわからないままだ。


叡智の冠の賢者たちは、ある古文書を見つけてきた。
この古文書によると、ペガサスは先代の勇者アルヴァンと共に死力を尽くし、かつての大魔王を討伐したと記されている。


その後ペガサスは傷を癒やすためエテーネの島と呼ばれる場所で眠りについたという。


冥王ネルゲルによる封印以来、エテーネの島は周辺の海が荒れ、船では近づくことが出来ない。


海を渡っていく以外にエテーネの島へたどりつく手段がないかと考えこむルシェンダ。
そこへ突然クロウズがやってきた。


「お困りのようですね。」
「今日はあなた方にお渡ししたいものがあって来ました。」


そう言うとクローズは白いオカリナのようなものをルシェンダに渡した。


「これは、なんだ?」
ルシェンダも何かわからない様子だ。


「このグランゼドーラの南東の地、ドラクロン山地という場所に飛竜の巣があるのをご存知でしょうか。」


ルシェンダは驚く。
「飛竜、まさかこれは、竜笛か?」


「ご明察、さすがは賢者ルシェンダ様。」
「それでは私はこれで。」


そう言うと、クロウズはその場を立ち去ってしまった。


「竜笛か。まさかこの目で見ることがかなうとは。」
「竜笛とは、人を乗せ大空を舞う飛竜を操るために作り出された神秘の楽器。」
「太古の昔、アストルティアにまだ竜族という種族がいた時代、竜笛を作る技術は彼らの存在とともに失われてしまったと聞く。」
「その楽器をいともたやすく我らに与えたあのクロウズという若者。あの者はまさか竜族なのか。」


「飛竜を得られれば空からエテーネの島にたどりつけよう。」
「この竜笛をそなたに預ける。この笛を用いて飛竜をてなずけられるか確かめてきてくれ。」


主人公はドラクロン山地に向かった。
山のふもとには小さな小屋があり、そこにワンドーラという老人が住んでいた。


ワンドーラは自分が「竜守り」だと名乗った。
竜守りは飛竜を見守る山の番人。
大昔の竜族との約束を守って、先祖代々ここに住み、飛竜の育て方や世話の仕方を教えこまれている。


竜笛をワンドーラに見せると、驚いた。
「飛竜の峰」でこの竜笛を吹くと飛竜を手なずけることが出来ると教えてもらい、早速向かった。


ドラクロン山地の山頂「飛竜の峰」で竜笛を吹くと、1匹の飛竜が現れた。
「つたない笛の音を響かせるのは何者だ?」
「久しぶりに竜笛の音を聞いたがあまりにひどい音色。」
「どんなものが吹いたかと思って見に来てみればまさかエルフとはな。」
「下等種族のエルフ風情が飛竜を従えようとは片腹痛い。」
「誇り高き飛竜が従うは選ばれし民、竜族のみ。」
「恥知らずにも飛竜の峰に足を踏み入れたおのれの愚かさを呪うがいい。」


そう言うと、いきなり飛竜が襲いかかってきた。
襲いかかってくる飛竜を退ける主人公。


「そのチカラ、貴様ただのエルフではないな?」
「面白い、貴様に飛竜を与えてやることにしよう。」
「とはいえ、そのつたない笛の音では成長した飛竜を従えることなど到底かなわぬであろう。」
「生まれたばかりの純粋無垢な飛竜であれば貴様のそのつたない笛の音色にも応え、言うことを聞くかもしれぬ。」
「山のふもとに住む竜守りのところへいけ。いいものを届けておいてやる。」


そう言うと、飛竜は立ち去っていった。


主人公がワンドーラのところへ行くと、小屋には飛竜の卵が届けられていた。


飛竜の卵をふ化させるには「竜炎石」が必要だという。
主人公はドラクロン山地を探索して竜炎石を手に入れ、ワンドーラに渡した。


ワンドーラが卵に竜炎石を使うとすぐに卵が割れ、飛竜が生まれた。


生まれたばかりの飛竜は、主人公になついているようだ。


竜炎石で生まれた飛竜はすぐに人を乗せて飛べるという。


主人公が竜笛を吹くと、先ほど生まれた飛竜が駆けつけてきた。
そして主人公を背中に乗せ、大空へ飛び立った。


飛竜に乗ってエテーネの村に帰ってきた主人公。
以前、木馬があった場所の地下に、カメさまとクロウズがいた。
カメさまは、眠っている。


「あなたは知らなかったでしょうが、この部屋は村に何かが起こったときにカメさまを避難させるためのものなのです。」
「この島に来られたということは飛竜を手に入れることが出来たのですね。」


「あなたはペガサスを探しているのでしょう。」
「エテーネの大地で眠りについたとされる伝説の天馬ペガサスを。」
「このカメさまこそが、ペガサスなのですよ。」


「かつての戦いでチカラを失ったペガサスはカメさまに姿を変えて生きのびました。」
「そして今は深い眠りについているのです。」
「カメさまにチカラを与えて再びペガサスの姿を取り戻させるにはテンスの花が必要となります。」


「清き洞くつに咲いていた花は焼き尽くされてしまいました。」
「ですが、あなたならきっと新たな花を手に入れられるでしょう。」


主人公はテンスの花を探すため、エテーネの島にあるナルビアの町に向かった。
ナルビアの町はエテーネの村が冥王ネルゲルに襲われた時、主人公が発動させた「時渡りの術」によって弟が飛ばされた場所。
主人公は知らないが、弟は60年前のナルビアの町に飛ばされ錬金術師として暮らしていた。


ナルビアの町のスレア海岸に、イッショウという老人が住んでいた。
イッショウはナルビアの町の錬金術師で、60年前、弟に錬金釜を貸した人物。


主人公がイッショウに名前を告げると、主人公の名前を聞いたことがあると言った。
イッショウは60年前に弟から主人公の名前を聞いていたようだ。


「オレは、アイツの身内が来るのをずっと待っていたんだ。」
「オレは行き倒れて帰る場所のない弟を厚意で住まわせてやり、面倒をみてやっていた元錬金術師。」
「箱で錬金していた弟に錬金釜をくれてやり、一流の錬金術師になれるようにとかわいがって育ててやった。」
「なのにアイツは一流の錬金術師になった途端、ナルビアの町のオレの家を売り、大事なオレの娘を連れて何処かへ行きやがった。」


「家を売られた時は腹が立ったが、あの家は弟が一流の錬金術師になったときにゆずってやったものだからな。」
「ただ、オレは弟の居場所を知らないんだ。」
「弟とオレの娘のリリオルは60年ほど前にこの島を出て海を渡ったんだ。」
「それ以来アイツらとは一度も会ってないし、連絡すらとっていない。」
「もしオレの娘のリリオルに会えたら、このペンダントを渡してくれないか。」


そう言うと、イッショウはペンダントを主人公に託した。


「60年前、リリオルたちは何も言わずに島を出て行ったんだが、あいつらはグランゼドーラ城下町に住むオレの旧友フラスコを頼って海を渡ったらしい。」


フラスコはグランゼドーラに住む錬金術師で、リリオルがメラゾ熱にかかったときに薬のレシピを探して届けてくれた人物。


主人公はグランゼドーラ城下町のサルマーという人物を訪ねた。


サルマーはフラスコの孫にあたる。
フラスコはかなり前に亡くなってしまったようだ。
60年前この町でメラゾ熱が流行した時、クスリを作ってくれた錬金術師がいたと聞いたことがあるとサルマーは言った。
サルマーの母がそれで命拾いをしたそうだ。


サルマーの母ダイラは、ナルビアの町に移住したらしい。
ナルビアの町は、当時リゾート地として注目を集めていたという。


ダイラに会うため、ナルビアの町に向かった。


ダイラに話を聞く。
「リリオルさんと弟さんの話を聞きたいのかい?なつかしい名前を言うね。」
「あの人達がグランゼドーラに来たのはあたしが5歳の時だったよ。」
「メラゾ熱が町中にまん延して大変だった時さ。」
「状況を見たあの二人は見事な連携で材料を集めてね。」
「メラゾ熱のクスリを錬金して、苦しんでいた私達を救ってくれたんだ。」
「父はリリオルさんのことを知っていたからね。」
「うちに住んでもらって、弟さんの植物の研究を手伝ってあげたりしたんだよ。」
「だけどあやしいサングラスの男が現れて、リリオルさんたちは出て行ってしまったんだよ。」
「今はどこにいるかわからないよ。」


「あ、そういえば、ずいぶんと前に近況を知らせる手紙が来ていたね。」


その手紙には、どこかの修道院が写った美しい島の写真が入っていた。


主人公は飛竜に乗って、近くにある「マデ島」の修道院に行ってみた。


その修道院には「マザー・リオーネ」という修道女がいた。
話を聞いてみる。
「届け物をするためにリリオルという女性を探してここまでいらっしゃったのですか。」
「もしやあなたは、弟の兄弟ですか?」
「やはりそうでしたか。あなたのことは弟から聞いています。リリオルとはシスターになる前の私の名前ですよ。」


「こんなところまでよく来てくださいました。」
「さあ、その届け物を見せてくれますか?」
「弟からのものだと思うと気が急いで。」


主人公は、イッショウから預かっていたペンダントをリリオルに渡した。


「これは、虹色の輝石のペンダント。」
「そうですか。これは父からの。私が母とお揃いのペンダントが欲しいと言ったことを覚えていてくれたんですね。」
「ありがとうございます。一生の宝ものにすると父に伝えて下さい。」
「もう二度と父とは連絡を取ることもないと思っていましたが、こうして覚えていてくれるなんて。」
「すっかり切れたと思っていたのに、人の縁というのは不思議なものですね。」
「あなたが父のところから来たということは、弟とはもう再会を果たし、花を受け取ったあとなのでしょう。」


主人公は、まだ弟に再会していないことをリリオルに伝えた。


「弟に会っていないのですか?」
「では弟から父に託された物を受け取ってはいないのですね。」
「となると、父が弟から託されたことを忘れているのかもしれません。」
「私はこの世界でもっとも長くあなたの弟とともに過ごしたものです。」
「まさかあなたが弟と会うより早くここへ来るとは思いませんでした。」
「この機に私達の半生を聞かせてあげましょう。」


「60年ほど前のこと、一流の錬金術師になった弟は、エテーネ村の巫女アバさまにテンスの花を作って欲しいと頼まれたのです。」
「テンスの花作りは危険をともなうと、アバさまに忠告されたようです。」
「弟は私達に迷惑をかけぬようにと、一人で島を出ようとしました。」
「しかし私はそれを見逃さなかったのです。」
「弟から事情を聞き、テンスの花を作るには並々ならぬ苦労がかかると考えた私は、父が弟に譲った家を売り、当面の生活費と研究資金を作って、一緒に島を出たのです。」
「思い切ったことをしたものですが、言えば父にも危険が及ぶと思い、何も知らせないまま実行したのです。」
「そして花作りの研究を進めていくと、アバさまの予言通り、額にイレズミを入れた男がこちらの命を狙ってくるようになりました。」
「私達はあの男が現れる度に各地を転々としながら研究を続けたのですが、相手はじつに執念深くて。」
「これ以上私を巻き添えに出来ないと判断した弟は、私をこの島に避難させ、ひとりで行ってしまったのです。」
「本当は最後まで一緒にいたかった。」
「ですがあの必死な表情に、私はここに残ると約束する他ありませんでした。」
「それ以来私はここで弟の無事と、研究が完成してテンスの花があなたの手に渡ることを祈っていました。」
「そんなある日、10年ほど前ですが、弟から手紙が届いたのです。」
「そこには無事にテンスの花が完成したことと、テンスの花へ至るカギを私の父イッショウに送ったことが書かれていました。」
「弟はあなたを待っているはずです。」
「父のところへ戻ったら、弟から何か預かっていないか聞いてみてくれませんか?」
「そして私が勝手にナルビアの家を売り、くわしい事情を話さずに島を出たことを謝っていたと、どうか父に伝えて下さい。」


ナルビアの町に戻り、イッショウにリリオルの話を伝えた。
「母親がいなくて寂しい思いをさせたからな。」
「母と同じペンダントが欲しいっていう夢だけは叶えてやりたかったんだ。」


イッショウに弟から預かったっものがないか聞いてみた。
「ずいぶん前に一度だけ弟から手紙が来たんだが、チラッとだけ見て放っておいたんだよな。」
「そういや真珠みたいなものが入ってたっけな。」


主人公はイッショウから「風の真珠」を受け取った。


「その風の真珠、よくみるとかなり高度な錬金術で作られたもののようだ。」
「弟はオレの想像以上にウデを上げているぞ。弟と再会するのが楽しみだな。」


この風の真珠をどこで使えばいいのか残念ながら手紙には書いていなかった。
手がかりを求めて、主人公はエテーネの村に行ってみることにした。


エテーネの村には、ごきげんな帽子をかぶったトンブレロがいた。
話しかけてみると、トンブレロはこう言った。
「そうだった、真珠。ボク、風の真珠を探してたの。」


このトンブレロは名前を「ハナ」という。


主人公はハナに風の真珠を渡した。
「全部思い出した。風の真珠持ってきた人、テンスの花のところに連れて行く。」
「ボク、弟さんと約束した。」


ハナは主人公に「ラゼアの風穴」に行くように言った。


ラゼアの風穴に行くと、不思議な光る模様が書いてある大きな岩があった。
その岩の真中に小さな穴が空いている。


「この向こう、研究所がある。今から扉を開ける。」


ハナはそう言うと、風の真珠を岩の小さな穴に入れた。


すると大きな音とともに岩は2つに割れ、洞くつへの入り口が現れた。
ハナと一緒に洞くつの中へ向かうと、そこに弟の研究所があった。


研究所の中央には水が引いてあって、テンスの花が咲いている。


すると突然、背後から声が聞こえた。
「こんな所にあったのか。」
黒いサングラスをして、額にイレズミの入った男が立っている。


「道案内、感謝するぞ。お前がエテーネの錬金術師を探しているのを知り、ずっと後をつけさせてもらった。」
「テンスの花を作り出そうとする者の存在に気づき、追い続けて数十年。」
「ついにヤツの研究所を見つけた。」
「よもや清き洞くつでしか咲かぬ花をこのような場所で咲かせるとは。やはりあの男はただものではなかった。」
「だがヤツの努力もここまで。すべてのテンスの花をこの世から消し去ること。それが我ら魔導鬼一族の使命だ。」


サングラスの男は「魔導鬼ベゼブー」に姿を変えた。
魔導鬼ベゼブーは呪いの霧を吐き、テンスの花を燃やし尽くそうとする。
そこにハナが飛び込み、呪いの霧を身体で受け止め、テンスの花を守った。
ハナはその場に倒れこんでしまう。
「おにーちゃん、お願い。大事な花を守って。」


魔導鬼ベゼブーは怒り、主人公に襲いかかってきた。


主人公は襲いかかってきた魔導鬼ベゼブーを倒す。
魔導鬼ベゼブーは消滅した。


ハナは何事もなかったように起き上がった。
「ボク平気、錬金術ですごく丈夫に作ってもらった。おにーちゃん、こっちおいで。」


ハナは主人公を錬金釜のところまで案内した。
主人公が錬金釜の中を見ると、青白く輝くテンスの花と手紙が入っていた。


ハナは言う。
「この花がおにーちゃんに渡したかった花。輝くテンスの花。」
「エテーネ村の巫女さまに言われて作った聖なるチカラがいっぱいの花。」
「カメさまの呪いもすぐ解けるすごい花。」
「おにーちゃんの弟、この花錬金するために世界中旅してテンスの花が咲いている太古の泉にそっくりなこの場所を見つけた。」


「この錬金釜はボクがイッショウさんに返すように言われているの。」
そう言うと、ハナは錬金釜を持ってイッショウの所へ向かった。


主人公は錬金釜の中に入っていた手紙を読んだ。


「おにいちゃんへ。」
「やっと輝くテンスの花が錬金できた。」
「おにいちゃん、これ必要でしょ?」
「ボクはあの日、おにいちゃんと別れてからずっと自分だけ生きていていいのか、どうしてこの時代に来てしまったのか、ずっと悩んでた。」
「でもアバさまにおにいちゃんが生きていることを教えてもらい、この時代に来た理由がわかった。」
「普通のテンスの花よりずっと強い力を持つテンスの花を何年も、何十年もかけて錬金すること。それがボクの使命だったんだ。」
「ボクはいつも適当だったけど、まわりの人が助けてくれたおかげで、今回は最後までやり通せた。」
「おにいちゃんはすごい使命を持っているんだってね。」
「ボクの錬金術がすこしでもその使命を果たす手伝いになったらうれしいよ。」
「本当は自分の手で渡したかったけど、ごめんなさい。時間がないみたい。」
「でもこれだけは言っておくよ。おにいちゃんが、使命を果たせるように祈ってる。」




主人公は輝くテンスの花を持ってエテーネの村へ向かった。


クロウズが主人公の帰りを待っていた。
「おかえりなさい、どうやらテンスの花を手に入れることが出来たようですね。」
「おお、なんという輝きでしょう。ただのテンスの花ではないようですね。それならばきっと。」


主人公は輝くテンスの花をカメさまの上にのせた。
テンスの花は黄金に光り輝き、カメさまを包み込む。
光の輝がおさまった時、カメさまの体は白いペガサスに変わった。


ペガサスが主人公に語りかける。
「エテーネの民よ。私は天馬ファルシオン。」
「勇者の盟友であるあなたをこれまでずっと見守り続けてきました。」
「あなたとあなたの弟のおかげで私は真の姿を取り戻すことが出来ました。」
「本当に感謝しています。」


クロウズが言う。
「あの日焼き尽くされたはずのテンスの花を弟さんは生涯をかけて復活させてくれたのですね。」


天馬ファルシオンがクロウズに言う。
「あなたも真の姿に戻る時です。私が預かっていた身体を返しましょう。」


クロウズの身体は光輝き、「シンイ」へと姿を変えた。


「ありがとうございます、カメさま。」
「主人公、私のことを覚えていますか?」
「カメさまの巫女アバの孫、シンイです。」
「お久しぶりといっていいものか。」
「これまで黙っていてすみません。」
「クロウズというのはあなたと同じく生き返しを受けた私のもう一つの姿。」
「それによって私も数奇な運命を背負うことになりました。」
「あの日、エテーネの村を救うために旅立った私達3人はそれぞれに大きな使命を授かったのです。」
「すべてが終わって、いつかまたあの時のように3人で笑い合える日が来るといいですね。」
「身体は返していただきましたが、私にはクロウズとしてやらねばならないことがあるのです。」
「私の使命は今はまだ語ることは出来ません。」
「主人公は大魔王討伐の使命を勇者とともに果たして下さい。」


そう言うと、シンイはその場を立ち去っていった。


復活した天馬ファルシオンは飛び上がり、勇者姫アンルシアのもとに向かった。
主人公もファルシオンを追い、グランゼドーラ城へ向かう。


勇者姫アンルシアの側に天馬ファルシオンが降り立った。
「勇者アンルシア、会える日を楽しみにしていました。」
「私の名はファルシオン、あなたの盟友の活躍によりチカラを取り戻すことが出来たのです。」


アンルシアは驚く。
「この声、どこかで。」
「そうだわ。トーマ兄様と一緒に魔元師ゼルドラドと戦ったあのとき、私を救ってくれたのはあなただったのですね?」


天馬ファルシオンがアンルシアに言う。
「あなたには苦労をかけました。」
「わたしのチカラが完全ならばあなたを偽りの世界へ落としはしなかったのに。」
「ですが時は満ちたのです。今こそ大魔王と戦う勇者のためこのチカラを振るうことを誓いましょう。」
「さあ、勇者よ。私にお乗りなさい。」
「大魔王の待つ魔幻宮殿へ向かうのです。」


「ありがとう、あなたならきっとペガサスを見つけてくれると思っていたわ。」
「今こそ大魔王と決着をつける時よ。」
「私はファルシオンさまに乗り、出陣します。」
「私の盟友としてあなたのチカラも貸して欲しいの。」
アンルシアはそう言うと、ファルシオンに乗り、魔幻迷宮へ向かった。


主人公もアンルシアを追いかける。


魔幻迷宮には侵入者を阻む結界がはられている。


ファルシオンに乗ったアンルシアは、結界に突撃した。
ファルシオンの額から1本の光り輝くツノが生えている。


見事に結界を打ち破り、勇者姫アンルシアと主人公は魔幻迷宮の中へ入ることができた。


勇者姫アンルシアと主人公が魔幻迷宮の上層にいくと、そこには魔元帥ゼルドラドが待ち構えていた。
「大魔王マデサゴーラ様の御前であるぞ。ひかえるがよい。」


大魔王マデサゴーラの声が聞こえる。
「勇者よ、あまり急ぐと器が知れるぞ。」
「そなた、戦いの美学というものを知らんと見える。」
「教えてやるがよい、ゼルドラドよ。」


「このゼルドラド、すべて心得ております。大魔王マデサゴーラ様。」
「貧弱な勇者と頼りない盟友ごとき、あなたの手をわずらわせるまでもありません。」
「私一人で滅ぼしてご覧に入れましょう。」


襲ってきた魔元帥ゼルドラドをアンルシアと主人公は協力して打ち倒した。


「このわたしがこんな小娘たちに敗れるだと?」
「バカな。勇者と盟友のチカラがこれほどのものとは。」
「だが、これでよい。わしの役目は終わったのだ。」
「大魔王さまは大いなるチカラの源、創生の霊核を求め、すでにここを発たれた。」
「勇者のチカラを持つものを連れてな。」
「チカラを手にするには勇者が必要。ゆえに大魔王さまは貴様の兄を手駒として蘇らせたのだ。」


そう言うと魔元帥ゼルドラドは消滅した。


アンルシアと主人公は、天馬ファルシオンにそのことを報告した。
「創生の霊核、ゼルドラドは確かにそう言ったのですね?」
「事は一刻を争います。エテーネの島の山頂にある光の神殿へ急ぎましょう。」


主人公はアンルシアと共に光の神殿に向かった。


すると光の神殿にある扉が破壊されていた。


光の神殿には、悠久の回廊と呼ばれる地底深くへと伸びる通路がある。
悠久の回廊の果てにはひとつの門が存在し、光の神殿はその門を封じるために建てられたもの。
門の名は「奈落の門」。その向こうには創生の霊核というチカラが眠ると言われている。


ファルシオンは言う。
「神の緋石を封じた扉と同じく、奈落の門を開くには勇者のチカラが必要となります。」
「光の神殿の封印を破り、奈落の門を目指すものこそ大魔王マデサゴーラに相違ないでしょう。」
「勇者アンルシアとその盟友よ。大魔王に奈落の門を開かせてはなりません。一刻もはやくかの者を止めるのです。」


アンルシアと主人公が、悠久の回廊に入ろうとすると、またもや結界に阻まれてしまう。
天馬ファルシオンがその結界を破壊しようとするが、失敗してしまった。


どうやら大魔王マデサゴーラが強力な結界を残していったようだ。


「この結界は闇の魔力とは異なるチカラ。」
「おそらく創生の魔力で創られています。」
「私では取り除けません。」
「この結界を取り除く方法をなんとか探してみましょう。私にしばしの時間を下さい。」
「大魔王といえど、悠久の回廊を抜けることはそう簡単には出来ないはずです。」


勇者姫アンルシアと主人公は、天馬ファルシオンが結界を破る方法を見つけてくれるまで待つことになった。




その頃、クロウズはエテーネの島の名もなき草原にある「清き水の洞くつ」の前にいた。
清き水の洞くつはテンスの花が咲く場所であり、偽りの世界では「創生の渦」があった場所。


クロウズはつぶやく。
「魔幻宮殿の主、大魔王マデサゴーラは己の目的を果たすため奈落の門へと向かった。」
「もう少し、もう少しで私の目的に届く。」


クロウズの目が金色に輝き、少し先の未来が見える。


冥王ネルゲルが滅ぼす前の平和なエテーネの村が見える。
巫女アバさまも元気な様子だ。


奈落の門の前に一人で立つ闇の勇者トーマの姿が見える。
奈落の門には結界が施されているようだ。


奈落の門が開かれ、大魔王マデサゴーラがチカラを得て、アンルシアの前に立ちはだかる様子が見える。


クロウズはつぶやく。
「いえ、本当の戦いはこれから始まるのでしたね。」
「その時まで今しばらく待たなくては。」
「主人公、あなたは私を許してくれますか?」