ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

破界篇 第1話〜第3話

第1話 『滅びの予兆』



偽りのココラタの浜辺にある民家でファビエルという男性と話をする。
「おお、あなたはかつてこの偽りの世界の侵食から真の世界を護った冒険者、主人公ですね。」
「これはまたとない幸運。」
「あなたにしか頼めないことがあるのです。」
「ご存知の通り、偽りの世界にあるものは生き物も物質も全て創られた存在。」
「そう、人間でさえも。」
「この浜辺にいる創られし者、創生人間は偽りの世界で最初期に生み出された住人。」
「その彼らの言動が最近おかしくてね。」
「私には彼らの変化が何かの予兆のような気がしてならない。」
「そこであなたにはこの浜辺にいる創生人間の不調の原因を探って欲しいのです。」
「それではまずこの浜辺にいるエドラ、ニイゴ、マロナの3人と話し、その様子を私に知らせてください。」


エドラに話を聞く。
「地面から煙が吹き出してて沢山のお湯があるんだよ。」
「あとね、煙はとっても臭いの。」
「行ってみたいけどひび割れがいっぱいあって危ないんだ。」


ニイゴに話を聞く。
「ゴンドラに乗れるやぐらがあるんだよ。」
「ひび割れがとっても綺麗なんだよ。」
「ひび割れがおっきくなるとそこから世界を破壊する者が生まれるんだ。」
「だからこの世はおしまいなんだ。」


マロナに話を聞く。
「さっきから耳鳴りがひどいんだよ。」
「世界が壊れていく音だよ。」


ファビエルのところに戻る主人公。
「臭い煙に沢山のお湯。」
「やぐらのゴンドラ・・」
「妙ですね。それらの示す景色はモンせろ温泉峡しか考えられない。」
「しかしこの偽りの世界においてかの地への道は塞がれているはずです。」
「そしてひび割れから生まれる世界を破壊する者か・・」
「ふむ、どうやら偽りの世界のモンセロ温泉峡に創生人間の心をざわつかせる原因があるようです。」
「あなたにはなんとしてもこの世界のモンセロ温泉峡を調査してもらいたい。」
「そこでこれをお貸ししたい。」
主人公は「無垢なる原石」をファビエルから受け取った。
「無垢なる原石は隠されたものを暴き出すチカラを秘めた魔法具です。」
「偽りの世界のモンセロ温泉峡を調査してもらいたいのですが、残念ながら道は塞がれています。」
「ですが無垢なる原石の秘めたるチカラを使えばモンセロ温泉峡にたどり着けるはず。」


主人公は無垢なる原石を使い、偽りの世界のモンセロ温泉峡に入った。
奥へ進み未完のご神体の間に入ると、未完の魔導鬼がいた。
「ここはどこなのか・・我はいったい・・」
「だが一つだけはっきりしている。」
「我はこの聖域の守護を命じられし者。」
時空の割れ目から魔瘴を吸い込んだ未完の魔導鬼が主人公に襲いかかる。
「おお・・チカラが漲ってくる・・」
「愚かなる侵入者よ。我が聖域を汚した罪、死をもって償うがいい。」


主人公が未完の魔導鬼を倒すと奥からメドナムという男が現れた。
「斬新なヒズミの消し方だ。」
「たいした手並だったぞ、護りの手よ。」
「ああやって魔物と同化した状態なら魔物を倒すことでヒズミを消せるんだな。」
「俺も初めて知ったよ。」
「しかしあの大きさのヒズミが自然発生するとは、この世界は重症だな。」
「知っての通り、偽りの世界にある物は全てあの大魔王により創られたものだ。」
「だが大魔王は死んだ。」
「創造主が不在で安定性を欠いたまま放置されたがゆえにヒズミが発生しやすくなっているのか。」
「断っておくが、ここのヒズミは滅びの手の仕業じゃない。」
「断じて自然発生したものだ。」
「おや?その間抜けヅラ。」
「まさか何も聞かされてないのか?」
「まあ奴には奴の思惑があるんだろうよ。」
「詳しいことが知りたきゃファビエルに聞きな。」
「自己紹介がまだだったな。」
「俺はメドナム。滅びの手の選定者だ。」
「役者は揃いつつある。」
「破魂の審判の幕開けも近いだろうよ。」
「俺の選んだ滅びの手は手強いぞ。」
メドナムは去っていった。


偽りのココラタの浜辺に戻り、ファビエルに報告する。
「メドナムや破魂の審判のことはいずれ時が来たら話すとお約束しましょう。」
「代わりに未完の地についてご説明します。」
「かの地は大魔王の手により創造されたものの、どういうわけか出入り口が閉ざされ放置されています。」
「鍵が隠されているのはいずれ創造を再開する時まで封印する意図があったからでしょう。」
「この偽りの世界には同じような土地がいくつかあります。」
「この先新たな未完の地を探索してもらうこともあるでしょう。」
「ですが今はヒズミの消滅によって創造人間がどうなったかを確かめたい。」
「皆安定していると良いのですが。」
「以前と同じ頼みで申し訳ないのですが、エドラ、ニイゴ、マロナの3人と話し、その様子を私に知らせてください。」


エドラと話をする。
「キャハハ!ねえ、知ってる?」
「もうすぐシドーがやってくるよ。」
「破壊の神様がみんな根絶やしにしてくれるんだ。やったね!」


ニイゴと話をする。
「僕知ってるよ。」
「世界を破壊する者。その名はシドー。」
「ヒズミは消しても消しても現れる。」
「この世はもうおしまいなんだ。」
「残念でした。」


マロナと話をする。
「さっきの耳鳴りはシドーがやってくる合図だったんだよ。」
「次にひどい耳鳴りがしたらこの世はおしまいだよ。」


ファビエルに報告する。
「彼らはシドーの名を口にしたのですか?」
「なんということだ。」
「世界の異変、ヒズミの発生を感知して錯乱するだけならまだしも・・」
「ああ、すみません。考え事にふけってしまいました。」
「引き続きお仕事を依頼したいのですが、まず無垢なる原石をこちらに。」
主人公は無垢なる原石をファビエルに返した。

第2話 『世界を肯定する者』



ファビエルが言う。
「ある目的のためにどうしても欠かせない道具がありましてね。」
「ところがそれは未完成でして。」
「私一人のチカラでは作れそうにない。」
「そこであなたに協力してもらいたいのです。」


ファビエルの小屋で寝ていた女性が目を覚ました。
「騒がしいな。誰か来ているのか?」
「待ってくれ。起き抜けで頭が冴えないんだ。」


ファビエルは寝ぼけ眼の女性に主人公のことを紹介した。
「私のことはそうだなあ、クマリスと呼んでくれ。」
「趣味は、食っちゃ寝だ。」


ファビエルが言う。
「この無気力な女性は今後あなたと行動を共にする、言うなれば相棒。」
「仲良くしてくださいね。」
「私はこのお方にある仕事を依頼しましてね。」
「今後ますます忙しくなるでしょうから手伝ってあげて欲しいのです。」
「退屈しのぎにうってつけでしょう?」


「ふん、まあいいだろう。」
「暇つぶしくらいにはなりそうだ。」
「よろしくな、相棒とやら。」


ファビエルがクマリスに言う。
「ではお仕事の話に入りましょう。」
「あなたはこちらの石、無垢なる原石をご存知ですよね?」
「この石、実は未完成でしてね。」
「完成させるにはこれを偽りの世界への愛で満たさなければならないのです。」
「偽りの世界への愛、それは言うなればこの世界に生きる者たちの偽りの世界を肯定する心です。」
「あなたに眠るこの世界への愛を意識してみてください。」
「感じませんか?」
「心を揺さぶるさざなみを。それがどこから届くのか。」
「感覚を研ぎ澄ませ、意識を集中するのです。」


「南の・・いや、南東かもしれない。」
「その方角から何かを感じる。」
「おそらくメルン水車郷の辺りか。」


ファビエルが言う。
「そこで何かが起こるのでしょう。」
「二人で行って確かめてくるのです。」
「こちらは主人公さんに預けておきましょう。」
主人公は無垢なる原石を受け取った。


主人公はクマリスと一緒に偽りのメルン水車郷へ向かった。


偽りのメルン水車郷の民家にいたクレルに話を聞く。
クレルは以前、魔女グレイツェルとなりザンクローネと戦った少女だ。
「ザンクローネが残してくれたこの命、一生をかけてメルサンディ村の人々への償いに使わせていただきます。」
主人公はクレルに愛を集めるためにここに来たと伝えた。
「愛を集めている?集められるものなら私も集めたいです。」
「というのも愛が足りない生で今行き詰まっているところだから。」
「村のみんなに最高のパンを振る舞おうと愛情を込めて何度も焼いたのですが、どうしてもうまくいかなくて。」
「それもこれも私の愛が足りないせいだわ。」
「だから納得のいく味にならないのよ。」


クマリスが言う。
「あまり自分を責めるな。」
「料理の出来、不出来は食材の良し悪しに左右されることもある。」
「極上の食材で極上のパンを焼き上げればお前がパンに込めた愛とやらもしっかり伝わるんじゃないのか?」


「そうだわ、メルサンディ穀倉帯の南にいるバサラーナはこの時期畑から良質の麦だけを盗み取っていると聞いたことがあります。」
「バサラーナが盗み取った良質の麦、極上麦さえあれば私でも極上のパンを焼き上げることができるはず。」
「私のパンを食べた人はあまりの美味しさに愛情に包まれることでしょう。」


主人公はバサラーナを倒し、極上麦を持ってきてあげた。
「まあ、ありがとうございます。」
「早速粉をひかなくちゃ。」
「なんと言っても新鮮さが命ですから。」
クレルは水車小屋に粉をひきに行った。
そして戻ってくるとひきたての小麦粉でパン生地をこね始めた。
クレルは生地をこね終えると今度はかまどに火を入れて、程なくしてパンを焼き上げた。
「こんな味ではとても村のみんなに食べてもらえない・・気に入ってもらえない・・」


そこにメルサンディ村の人たちがやってきた。
「おーい、邪魔するぜ。クレルさん。」
「今日のパンはまだ焼きあがんねえのか?」
「ふおーん、焼き上がってるじゃねえか。」
「今すぐ分けてくれ。」
「待ちすぎてお腹と背中がくっつきそうだ。」
「ラスカがお試しだってあんたのパンを配ってたんだよ。」


ラスカが言う。
「一人じゃ食べきれなかったから村のみんなに分けてあげたんだ。」
「すっごい評判だったよ。」


クマリスが言う。
「他者の評価を怖れ、味を追求することに逃げてるだけだろう。」
「あんたも気付いてるはずだ。」


村の女性が言う。
「魔女グレイツェルが村にしたことは忘れない。」
「でもそれとこれとは別。」
「だって私はあなたのパンの大ファンなんだもの。」


村の男性が言う。
「そうそう、他にも待ってる人間がいるんだ。」
「毎日ジャンジャン焼いてくれ。」
「あんたはメルサンディ村の一員だ。」
「足りないものがあったら言ってくれ。」
「パンのお礼がしたいんだよ。」


クレルが喜ぶ。
「ありがとうございます!」
「どうぞ好きなだけ召し上がってください。」


クマリスが言う。
「良いものだな。」
「互いが互いを許し、受け入れる光景というものは。」
「こういう民草を護りたいと思ったものだ。」
「ん?私は何を言ってるんだ?」
主人公が手に持っていた無垢の原石に愛が集まりピンク色に輝いた。
「よもや愛が集まったというのか?」
「これがファビエルの言っていたこと・・」
「次は南東、セレドの町だ。」
「あちらの方角から愛のさざなみを感じる。」
「行ってみるとしようか、相棒。」


クマリスと一緒に偽りのセレドの町に移動する。
高台の教会の2階でリゼロッタに愛を集めるためにここに来たと伝えた。
「え?この世界を肯定する気持ちが愛になるですって?」
「要はみんなが今の暮らしに感謝するような場面を見たいってことかしら?」
「そういうことでしたら、もしセリクのメッセージが聞けたなら大きな感謝に心が包まれると思うわ。」
「それは手紙でもいいし、伝言でもいい。」
「私たちを思っての言葉ならなんでもいいの。」
「よかったら向こうのセレドの町にいるセリクに頼んでみてくださいな。」


主人公は真のセレドの町にいるセリクに話を聞いた。
「身体の石化は治ったけれど、以前と同じようにトゥーラが弾けるほど元通りというわけにはいかないようだね。」
「手を動かす訓練はなかなか苦しいけど、リゼロッタからもらったロザリオを見れば弱音を吐く気にはならないよ。」
「向こうで一緒だった君の顔を見ると何故だかほっとする。」
「ただ他のみんなと会えないのは残念だけど。」
主人公はリゼロッタがセリクのメッセージを聞きたがっていると伝えた。
「リゼロッタがそんなことを。」
「手紙くらいお安い御用だよ。」
「でもかなうなら僕のトゥーラを聞かせてあげたいな。」
「言葉よりも多くを伝えられるはずだから。」
「でもそんなことできっこないか。」


そばにいた父親のティードが話に加わった。
「そんなことないよ、セリク。」
「この結晶に音を吹き込むといい。」
「これは音色の結晶と言ってね、声や演奏を記録するための道具なんだ。」
「これなら遠方の友達にも音声を届けられる。」
「ただし年代物の品だから慎重に扱うんだよ。」


「父さんがそんな物を持っていたなんて。」
「今すぐみんなへのメッセージを記録しよう。」
セリクは父親から借りた音色の結晶に自身の言葉と演奏を記録した。
「向こうの世界にいるリゼロッタたちに僕のメッセージを届けておくれよ。」
「頼んだからね。」


主人公は音色の結晶を偽りのセレドの町にいるリゼロッタに届けた。
「え、これでセリクの声が聞けますの?」
「その上演奏まで聞けるなんて。すごい。」
「せっかくですからみんなに声をかけてティールームで聞くとしましょう。」


ティールームに子供たちが集まった。
「みんな、よく集まってくれたわね。」
「聞いての通り、私たちの名誉子供があちら側に戻ったセリクの声を頑張って届けてくれたわ。」
「残念だけどお話しするのは無理。」
「でもこれに記録されたセリクの伝言をみんなで聞くことができるのよ。」
「それじゃ始めるわ。」
「終わるまで静かにすること。いいわね。」


リゼロッタは音色の結晶を再生した。
セリクの声が聞こえる。
「久しぶりだね、みんな。」
「あれから無事石化の病を治せたんだけど手足が思うように動かなくてね。」
「それでもどうにかトゥーラを弾けるようになったんだ。」
「聞き苦しいかもしれないけど、是非みんなに聞いて欲しい。」
「これが今の僕だから。」
「じゃ、弾くよ。」
セリクが奏でるトゥーラの音色が流れる。
「悔しいけれどこれが精一杯なんだ。」
「でもいつか必ずみんなに聞かせたあの音を出せるようになってみせるから。」
「その時が来たらまた演奏を届けるよ。」
「名残惜しいけどこの辺にしておこう。」
「元気でね、みんな。それじゃあ、また。」
音色の結晶は砕けてしまった。


悲しむ子供たちにフィーロが言う。
「みんな、壊れてしまったのは残念だけど、セリクはこうも言っていたよ。」
「上達したらまた演奏を届けてくれるって。」


リゼロッタが言う。
「そうね、私たちにできるのは時が来るまで助けあいながらここで待っていること。」
「いいわね、みんな。」


クマリスが言う。
「分かっているのか?」
「いたずらに生者の世界と交流しようとすれば絶望が増すだけだと。」
「嫌でも己の死を意識させられる。」


リゼロッタが答える。
「短い間だけどここで共に過ごした仲間が向こうで元気にやっていると知れたのよ?」
「きっと私たちの支えになるわ。」


「私なら・・嫉妬で狂いそうになる。」


リゼロッタが言う。
「セリクはね、最初向こうに戻るのを拒否していたのよ。」
「元のようにトゥーラを弾けるようになるかわからないから。」
「でも彼は戻ったわ。」
「困難に立ち向かい、夢を掴もうとするセリクが大人になれない私たちに希望を与えてくれるのよ。」


「気高いな、貴公は。」
その時、主人公が持つ無垢の原石に愛が集まりピンク色に輝いた。
「ここでも愛が集まったか。」
「子供たちは偽りなくここでの暮らしを肯定しているようだな。」
「ん?今度はアラハギーロ王国の方から愛のさざなみを感じるぞ。」
「相棒、この辺でおいとまするとしよう。」
「ではな、気高き女王よ。」


偽りのジャイラ密林にある大樹の根元に行くとセラフィがいた。
「こんなところで主人公さんと会うなんて思いもしなかったよ。」
「いったいどうしたの?」
「ひょっとして主人公さんもシャイニーメロンを探しにきたの?」
「え?探していたのは私?」
「私に何か用事でもあるの?」
主人公はセラフィに愛を集めるためにここに来たと伝えた。
「うーん、愛か・・心当たりがないなー。」
「私の探し物も愛じゃなくてシャイニーメロンだしなー。」
「そのメロンなんだけどね、いくら探しても見つからないんだよ。」
「文献には大樹の根元に群生してるって書いてあったのに。」
「中央の小高くなっているところなんかいかにもメロンが群生してそうって思ったんだけど何もないんだ。」
「地面の下に埋まってるとか?実は透明で目に映らない果物?うーん・・」


主人公は無垢なる原石を使って隠されていたシャイニーメロンを映し出した。


クマリスが立て看板を見つける。
「相棒、これを見ろ。」
「大魔王印のシャイニーメロンとあるぞ。」
「わざわざ隠していたのは作りかけだからか?」


セラフィーが喜ぶ。
「わー、これこれ。」
「私が探してたシャイニーメロン!」
「変だよね、さっき探した時は何もなかったのに。」
「まあいっか。」
「早速お城に持ち帰ってみんなで味見しなきゃ。」
しかしシャイニーメロンは半透明で実体がなく、掴むことができなかった。
「あれれ、どうしてかな。」


クマリスが言う。
「かつての大魔王が作りかけのまま放置した物を無理に暴き出しただけだ。」
「言うなれば幻のような物だな。」
「諦めろ。うまい物なら他にいくらでもあるだろう。」


「ありふれた美味しさじゃダメだよ。」
「誰も味わったことのないびっくりするような美味しさじゃないと。」
「美味しい物を食べたら誰だって笑顔になるよ。」
「私はアラハギーロのリーダーだからみんなを笑顔にするの。」
「みんなの笑顔が見たいの!」
するとセラフィーの前にあるシャイニーメロンが実体化した。
「えへへ、見て見て!」
「シャイニーメロン採れちゃったよ!」
「ほら、本物だよ。ちゃんと触れるよ。」
「こっちのアラハギーロを守るってカレヴァンさんに約束したんだ。」
「でも守ってどういうことなんだろうってずっと悩んでた。」
「それでね、私が出した答えがこれ。」
「アラハギーロを盛り上げるための特産品。」
「これでみんなが笑顔になれるはずだよ。」
「アラハギーロを守っていうのはきっとみんなの笑顔を守ることなんだ。」


クマリスが感心する。
「なかなかどうして。」
「貴公は指導者の器だな。」


主人公が持つ無垢なる原石がピンク色に輝くとファビエルの声が聞こえてきた。
「二人とも、よくやりましたね。」
「無垢なる原石は愛で満たされたようです。」
「ココラタの浜辺にお戻りください。」
「今こそ破魂の審判について話しましょう。」


主人公とクマリスはファビエルのところに戻り、無垢なる原石を返した。
「これだけの愛が込められていれば、ヒズミを中和する護り手のチカラを発現させられるでしょう。」
「いよいよかの破魂の審判についてご説明いたしましょう。」
「破魂の審判とは言うなればこの偽りの世界の存亡をかけた戦いの儀式です。」
「世界を守る意志を持つ者・・護り手。」
「滅さんとする意志を持つ者・・滅びの手。」
「二手に別れ、相争います。」
「滅びの手は破壊神を召喚するために世界にヒズミを散りばめ、対する護りの手はヒズミを消していく。」
「闘争の末、破壊神が召喚されれば世界は滅び、召喚を食い止められればこの世界は護られ滅びを免れるでしょう。」
「ご存知でしょうがこの偽りの世界は創造主も消え未完成の場所も多い。」
「存在そのものが極めて不安定なのです。」
「このまま放置すれば隣接する他の世界にも様々な悪影響を及ぼしかねない。」
「だからこそ審判を経て偽りの世界を残すべきか否か、決めなければならないのです。」
「滅びの手が散りばめるヒズミは世界のほころびを加速させるばかりか、それ自体が破壊神を召喚する引き金となる。」
「対する護りの手はこの護り手の秘石を使いヒズミを消していく。」
「お二人の協力でいよいよ準備が整いました。」
「護りの手の選定者たる私はこたびの破魂の審判の護り手としてあなたを選びます。」
「またそのパートナーたる護りの盾はクマリスさん、あなたにお願いしたい。」
「拒否も一つも選択でしょう。」
「その場合護り手がたった一人で滅びの手とそのパートナーである滅びの剣に挑まなくてはなりません。」


クマリスが言う。
「私とて見知った人間が滅びに巻き込まれるサマなど想像したくもない。」
「いいだろう。護りの盾、引き受けてやる。」


「さて、前にあなたが会ったメドナムですが、彼は滅びの手の選定者。」
「言動からして選定は終わっているはず。」
「破魂の審判の開幕は間近です。」
「偽りの世界の行末はあなた方の双肩にかかっている。」
「言わばこの世界に生きる者全ての代表なのです。」
「健闘を期待します。」
「新たなヒズミの発生が破魂の審判開幕の合図です。」

第3話 『破魂の審判』



数日後、再びファビエルのもとに向かった。
「先ほど新たなヒズミの発生を感知しました。」
「このヒズミは自然発生したものではなく、滅びの手によるものと私は見ています。」
「そこであなたには護り手として破魂の審判に挑んで欲しいのです。」
「まずはこれを渡しておきましょう。」
主人公は護り手の秘石を手に入れた。
「護り手の秘石にはヒズミを消すチカラが備わっています。」
「この石を使い滅びの手が生み出したヒズミを消してください。」
「ただし一つ問題がありましてね。」
「木漏れ日の広場にある謎の地下水路の辺りからヒズミの気配を感じるのですが、滅びの手が生み出したにしてはどうにも弱すぎて本当にそこにヒズミがあるのか疑わしい。」
「そういえばあそこにはいわくありげな閉ざされた鉄格子がありましたね。」
「そして鉄格子の奥には旅の扉があったはず。」
「何か秘密がありそうですね。」
「まずは謎の地下水路の第2層の西側にある鉄格子の扉の辺りで護り手の秘石を使ってみてください。」


主人公とクマリスは謎の地下迷宮に向かい、鉄格子の奥の旅の扉をくぐった。
「見たことのない景色だな。」
「いったいここはどこなんだ?」
「それよりもあの扉の奥だ。」
「旅の扉に入る前に感じた歪な気とは比べ物にならない強さだ。」


扉に入ると突然未完の破壊王が襲ってきたので倒した。
声が聞こえてくる。
「ふふ、戦いで消耗した今、こいつを消せるかな?」
主人公は護り手の秘石を使ってヒズミを消した。
「出来損ないの世界を道連れに死ぬのが我が望み。」
「そのための戦いだ。」
「偽りの世界の息の根を止める。」
「こんな世界は滅びるべきだ。」
「破魂の審判はまだ始まったばかりだ。」
「死に急ぐ必要もあるまい。」
「貴様らにはいずれふさわしい死場所を用意してやる。」
「首を洗って待っていろ。」


クマリスが言う。
「ふん、勝負はお預けか。」
「しかし今の声は・・」
「いや、なんでもない。」
「いったんココラタに戻るとしよう。」


二人はファビエルのところに戻った。
「ふふ、わかっていますよ。」
「発生したヒズミは無事消去できたようですね。」
「偽りの世界の命運を左右する譲りの手と滅びの手の戦い、初戦は上々ですがまだ始まったばかりです。」
「この先の戦いは熾烈を極めるでしょうが、私は譲り手に肩入れできません。」
「審判への介入を禁じられているので。」
「ですが自らが選んだ者が優勢であることを喜ばしく思います。」
「滅びの手がヒズミを発生させたらまたご連絡しましょう。」


長編ストーリー「破界篇」4話~6話
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