ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

サブクエスト 思い出はランプの光と共に | 月明かりは消えない(魔王ヴァレリアの後日談)

主人公はトポルの村のフェアネに呼び出された。
「おやまあ、来てくれたのね。」
「お茶を入れてあげたいところだけど困ったことが起きてあなたの助けが必要なの。」
「トポルの村に伝わるお守り、月花石を作ったのだけど、少し目を離した好きに暴君ラビットという魔物に盗られちゃってね。」
「私の代わりに月花石を取り返してもらえないかしら。」


主人公は暴君ラビットから月花石を取り返してフェアネに渡した。
「ああ、これよ、これ。」
「ありがとうね。戻ってきてくれてうれしいわ。」
「ちょっとそこで待っていてちょうだい。」
フェアネは奥の戸棚から美しく飾り彫りされた木の腕輪を取り出すとそのくぼみに月花石をすっぽりとはめこんだ。
「もうひとつだけお願いがあるのだけど。」
「この腕輪をティリアに渡してほしいの。」
「月花石は安全祈願のお守りなの。」
「ティリアは意固地なところがあるから無理をしないように願ってのものなのよ。」


フェアネがティリアと呼んでいるのは魔王ヴァレリアのことだ。
主人公は月花石の腕輪を魔王ヴァレリアに渡した。
「これは月花石の腕輪。」
「フェアネどのが・・」
「月の光を少しずつ集めて結晶化した石をみがき上げるためかなりの時間がかかると聞いていたが、ようやく完成したのだな。」
「私がトポルの村にいたころ、フェアネどのがいつか作ってくれると約束していたものだ。」
「覚えてくれていたとは。」
「フフ。はめてみようにも、この腕には小さいようだ。」
「あの人の中で私は子供のままなのだな。」
「大魔王どの。少しそこで待っていてくれ。」
「フェアネどのに手紙を書いた。」
「あの人へ届けてほしい。」


主人公はフェアネに手紙を届けた。
「おやおや、ティリアから手紙を預かってきてくれたのね。」
「さっそく読ませてもらおうかしら。」
「うふふ。いろいろと大変なようだけど元気にしているようね。」
「私の身体も気にしてくれてうれしいわ。」
「遠く離れて以来、いつもあの子のことを想って心配ばかりしていたけど、あなたのおかげで安心したわ。ありがとうね。」
「ティリアはあなたを深く信頼してるようね。」
「ときどき気難しいところがあるかもだけれど、これからもあの子の支えになってあげてね。」


主人公は魔王ヴァレリアの元に戻り、月明かり家にいた子供のことを訪ねてみた。
「大魔王どのが言っている子供というのはリズティのことだな。」
「覚えているとは思うが、リズティは私が目をかけていた孤児院・月明かりの家で暮らしていた子だ。」
「魔瘴に覆われた月明かりの家から救い出した後、懸命の処置のかいあって、かろうじて一命を取り止めたのだ。」
「先日やっと動けるまでに回復してな。」
「この城下の民家で養生しているのだが。」
「まだすっかり元通りとは言い難いな。」
「ひとりだけ生き残ってしまった事実があの子の心に深い傷を残しているようだ。」
「ベルトロも様子を見にいっているようだが、他人がどうこうできるものではない。」
「私も似たような経験があるからわかる。」
「だがそなたならあるいは・・」
「リズティの家は居住地区の東側にある。」
「会いに行ってやってはくれないか?」
「私の名を出せば話を聞く気になるだろう。」


主人公はリズティに会いに行った。
「あなたはたしか、前に月明かりの家に来た人だよね。」
「魔王様の好きなものをみんなに聞いてた。」
「でもみんないなくなっちゃったの。」
「私だけがここにいるの。」
主人公はリズティが好きだというバルディジニアの花を摘んできて渡した。
「あ、バルディジニアの花。」
「魔王様の好きな花。」
「みんなで魔王様に手紙を書いて仲良しセットを作ったんだっけ。」
「なつかしいな。」
「みんなで好きなものや好きな人を思い思いに描いて・・」
「ローゼの描いた魔王様があんまりにもひどい出来だったからみんなで笑い転げたっけ。」
「それだけじゃない。みんなと一緒にごはんを食べたことも、みんなと一緒にかけっこをして転んじゃったことも・・」
「本当はわかってたの。」
「私だけが魔王様に助けられて、それで一人だけ生き残ったこと。」
「ねえお姉ちゃん、お願い。」
「月明かりの谷にみんなのお墓があるんでしょ。」
「そこまで私を連れてって。」


主人公はリズティを連れて月明かりの谷へ向かった。
子供たちの墓の前に行くとヴァレリアがやってきた。
「リズティよ。」
「皆の死を受け入れることが出来たのだな。」
「私もお前と同じなのだ。」
「家族を奪われ一人だけ生き残った。」
「だが死ねばよかったと思ったことはない。」
「生き残った理由があると信じたからだ。」
「自分にはすべきことがあるのだと。」
「そして私は私のような者を生み出すことのない世界をもたらすため魔王になることを目指したのだ。」
「すべきことは自分で見つけるしかない。」
「急ぐ必要はないのだ。」
「お前には時間が残されているのだから。」
「だが今は泣くがいい。」
「皆に届くよう大きな声でな。」
リズティはヴァレリアに抱きつくと大声で泣きじゃくった。
ひとしきり泣いた後、リズティは涙を拭ってヴァレリアから離れた。


「ありがとう、魔王様。」
「泣いたら少しスッキリしたかも。」
「私、家に戻っていろいろ考えてみるよ。」
主人公はリズティを家まで送っていった。


「私のやりたいこと・・やるべきこと。」
「そうだ。」
「私、大きくなったら院長先生になる。」
「それで月明かりの家をきれいにして、家族のいない子供たちをたくさん集めちゃうの。」
「そのために何をすればいいのかぜんぜんわかんないけど、絶対にそうするって私決めたの。」
「リズティがおっきくなって、院長先生になって新しい子供たちを連れてくる日が今から楽しみだよ。」
「魔王様にも今度言っておこっと。」