ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

エピソード39 星天の英雄たち

絶対滅神ジャゴヌバを倒した主人公は長年対立してきたアストルティアと魔界に和解と平和をもたらした。
そんなある日、パルミオ博士から訳のわからない手紙が届いた。


手紙の指示通り港町レンドアに向かうと上空に5色に輝く都市が浮かんでいた。
駅1階のエレベーターで町長の執務室へ向かうとパルミオ博士がいた。
「いやったー!見える、見えるぞ!」
「ありがとう、飛び飛びぴょん太くん!」
「これはまさしく、新発見だ!」
「お待ちしてましたよ、主人公さん。」
「さあ、見てください。」
「このパルミオの世紀の新発見を。」
「増殖する魔獣どころの騒ぎじゃありません。」
「見て下さい、あの浮遊都市。」
「これはすばらしい新発見ですよ。」
「私が発見したあの浮遊都市。」
「しかしアストルティアに出現するのは今回が初めてではないのです。」
「アストルティアの歴史をひもとくと、突然空に巨大な町が出現しただとか、天空に神秘の都市ありだとか。」
「時代や種族、地域を問わず大変似かよった伝説が残されていることがわかります。」
「浮遊都市の出現はたいていその種族や文明が滅亡の危機を乗り越え平和を勝ち取った後に限られており、そのため多くの伝説では浮遊都市とは神々の使いであり平和を勝ち取った人々を祝福するために現れたと言われています。」
「つまり、主人公がアストルティアを救ったこのタイミングで浮遊都市が現れたことは、まさに伝説とそっくり同じなのです。」
「我々は新たな伝説に立ち会っているのです。」
「はあ、はあ。申し訳ありません。つい興奮してしまって。」
「さらにですよ、あの浮遊都市を描いた古い絵画には不思議な生物の姿が描かれています。」
「現在も浮遊都市に生物は存在するのか、存在するとしたら一体何者なのか。」
「アストルティアの生物との関係は・・」
「一刻も早く調査に向かいたいのですが、新発明『飛び飛びぴょん太くん』を使っても私では届かない。」
「そこで、私が知る限り世界最高の身体能力を持つあなたにご協力いただきたいのです。」
「お願いです、主人公さん。」
「飛び飛びぴょん太くんで浮遊都市まで華麗にジャンプしてください。」
「さあさあ、ポーンと、ピョーンと浮遊都市までレッツゴーですよ。」


主人公はパルミオ博士の発明品「飛び飛びぴょん太くん」に乗って空高くジャンプしてみた。
「ダメでしたか。」
「私の計算では主人公さんの身体能力なら浮遊都市まで届くはずだったのですが。」
「いや、飛び飛びぴょん太くんが駄目でもこれなら・・」
「さあ、新しい発明のためにこのメモの材料を集めてきてください。」


主人公は材料を集め、パルミオ博士に渡した。
「ありがとうございます、主人公さん。」
「集めていただいた材料さえあれば。」
パルミオ博士は主人公が集めてきた材料で饅頭を作り上げた。
「その名もパルミオ饅頭。」
「これさえ食べれば百人力です。」
パルミオ博士は饅頭を食べ、瞬く間に傘のようなものを作り上げた。
「いやったあ!新発明『ハイハイジャンプさん』完成だ!」
主人公はパルミオ博士からハイハイジャンプさんを受け取った。
「このハイハイジャンプさんならはるか浮遊都市までひとっ飛びです。」
「では大空の旅へ出発しましょう!」
主人公とパルミオ博士はハイハイジャンプさんを使って浮遊都市に向かった。


浮遊都市に近づくと、何者かが大群で襲いかかってきた。
「あの生物・・個体の大きさは人間並、エルフ同様、背に羽が生えているが機能も形状も異なるようだぞ。」
上空で大群に囲まれた主人公達に向かって矢を放ってきた。
「あの新生物!道具まで使うなんて。」
「是非とも雄雌一匹ずつ捕まえてサンプルとして研究したい。」
「あー、来てよかった。」
「こんなエキサイティングな新発見ができるなんて、私興奮していますよ。」
光る矢にハイハイジャンプさんを射抜かれてしまった主人公達は地上に落下してしまった。


「この気温と湿度、オーグリード大陸北部のようですね。」
倒れていた側にハイハイジャンプさんを貫いた物質が落ちていた。
「ハイハイジャンプさんの装甲を一撃で貫いた硬度と不思議な色。」
「未知の物質に間違いない。」
「私はここで失礼します。」
「これは世紀の新発見になりますよ。」


パルミオ博士が去った後、謎の人物が天空から舞い降りた。
「エテーネ村を旅立ったあの日から、あなたが成し遂げてきた全てを見守ってきました。主人公。」
「先程は同胞が失礼いたしました。」
「ご安心ください。私はあなたに危害を加えるつもりはありません。」
謎の人物は女性で、背には大きな白い翼が生えている。
「我が名は導きの天使ユーライザ。」
「あなたこそが異界滅神ジャゴヌバを討伐せし時渡りの力を持つ者ですね。」
「あなたのこれまでの行いは称賛に値します。」
「まさしく英雄の名にふさわしい人物と言えるでしょう。」
「ならばこそ、私はあなたを天星郷フォーリオンへと導きましょう。」
「今、この世界は神々の守りを失った状態。」
「あなたには世界を守ることができる偉大なる力を手に入れてほしいのです。」
「ただし偉大なる力へ至る道には厳しい試練が待ち受けています。」
「私は導きの天使の役目ゆえ、試練は手助けすることはできませんがあなたならば乗り越えられるはず。」
「永きにわたるアストルティアの歴史にさんぜんと輝くキラ星のごとき、世界を救いし英雄達。」
「その中でも最も偉大な功績を挙げた者。」
「英雄の中の英雄であるあなたこそが偉大なる力を得るべきです。」
「天星郷へおいでなさい、主人公。」
「私たち天使のもとで試練を受け、新たなる階梯へと至って下さい。」
「まずはあなたに選ばれし者の証、魂の燭台を授けましょう。」
主人公はユーライザから魂の燭台を受け取った。
「その魂の燭台があれば、私の仲間の天使達に攻撃されることはありません。」
「天星郷で偉大なる力へと至るための試練があなたを待っています。」
「さあ、魂の燭台に祈りなさい。」
主人公は魂の燭台に祈りを捧げた。
すると主人公の背中に大きな天使の羽が生え、天星郷へ飛び立つことができた。
「あなたを信じていますよ、主人公。」


アストルティア上空に浮かぶ天星郷に向かうと、再び光の矢の攻撃を受け墜落してしまう。
そこにオーガの男性がやってきた。
「怪我はないな。」
「アストルティアの者か。」
「もしやそなたも魂の燭台を持っているのか?」
主人公は自分の魂の燭台を見せようとした。
しかし主人公の魂の燭台はどこにも見当たらない。
どうやら墜落した時に落としてしまったようだ。
「魂の燭台を落としたのか。」
「俺の名はラダ・ガート。そなたの名は?」
主人公は自分の名を告げた。
「そなえの場へ向かうぞ。ついてこい、主人公。」


そなえの場へラダ・ガートと共に向かった。
「この場所はそなえの場と呼ばれているそうだ。」
「審判の天使よ、急用だ、出てこい。」


審判の天使が現れた。
「みだりに大声を出さぬように、ラダ・ガート。」
「そちらの者、貴公は一体・・」
「我が名はヘルヴェル。」
「ここ白灰の試練場を司る審判の天使だ。」
「見ればいまだ人としての生をまっとうしていないようだが、どうやってこの地に紛れ込んだのだ?」


ヘルヴェルの側にいるアルビデという男の天使が耳打ちする。
「ほら、例のあいつですよ。主人公。」
「ユーライザの強い推薦でまだ生きているのに特例で召喚された、しかも大魔王だっていうあいつです。」


「そうか、貴公があの子の。」
「特例とはいえ、英雄は英雄。」
「白灰の試練場へようこそ、主人公。」
「救世の英雄である貴公にこれより我からの恩寵を授けよう。」
「四天の星の巡りに挑むがよい。」
「人智を超えた偉大なる力を手に入れることができるのは四天の星の巡りを乗り越えし者のみ。」
「このそなえの場にある試みの門から出て試みの荒野を松明に沿って進めば戦士の儀礼場に着くはずだ。」
「戦士の儀礼場の中央、試みの祭壇にて試練を乗り越えよ。さすればその魂の燭台に炎を灯し勝利の証としよう。」
「そして主人公、貴公はいまだ命のある身ゆえアストルティアへの帰還が許されている。」
「魂の燭台に祈りを捧げれば白灰の試練場とアストルティアを自在に行き来できる。」
「魂の燭台は貴公らの命にも等しき大切なものだ。」
「ゆめゆめ粗末に扱うことのないように。」


ラダ・ガートが言う。
「お前達を呼んだのはそのことだ。」
「主人公はここに来る途中で魂の燭台をなくしたらしい。」
「魂の燭台が試練に欠かせぬというのなら、こいつに新しいのをやってくれ。」


話を盗み聞きしていた子供の天使が言う。
「魂の燭台をなくしただと?」
「しかも魔族の首領だっていうじゃないか。」
「そんな奴に英雄たる資格があるものか。」
「ガートランド王国建国の祖・ラダ・ガートはともかく、あんな奴本当に英雄と呼べるのか?」


ヘルヴェルが子供の天使の話を遮る。
「静かに。」
「なるほど、つまり着地時に事故があったのだな。」
「同胞達の暴言、許されよ。」
「されど魂の燭台は聖なる神具。」
「なくしたからといっておいそれと代わりを授ける訳にはいかぬ。」
「私はフォーリオンへ戻り、このことを天使長に報告してこよう。」
「試練はラダ・ガート一人で挑みたまえ。」
「それでは。」
ヘルヴェルは去っていった。


「そなたはまだ生きているというのは本当か?主人公。」
「うすうす勘づいているだろうが、俺はすでに死んだ身だ。」
「ガートラントで生涯を終えた俺の前に導きの天使が現れ、魂だけをこの地へ導きこうしてかりそめの肉体を得た。」
「死者である俺には他に行くところがない。」
「しかし主人公、まだ生きているそなたにはそうではあるまい。」
「俺の魂の燭台を貸してやる。」
「これを使えばアストルティアへ帰れるはずだ。」
「その魂の燭台を好きに使え。」
主人公はラダ・ガートの魂の燭台を貸してもらった。
「俺は四天の星巡りを続けるつもりだ。」
「もしもそなたも試練に挑むならば魂の燭台を探し出さねばならん。」
「試みの門へ来るがいい。」


戦士の儀礼場に向かう途中、落とした魂の燭台を見つけた主人公。
ラダ・ガートに借りていた魂の燭台を返した。
「魂の燭台を取り戻したのだ。もはや天使どもに文句は言わせん。」
戦士の儀礼場についた。
「ここが試練を受ける場所に間違いない。」
「何をなすべきかは目の前の大きな石碑に刻まれている。」
「そなたも読んでみるといい。」
石碑を読んだ。
「戦士の儀礼は知恵・心・力の3つの階梯からなる。」


主人公は知恵・心の試練をクリアし、扉をくぐり、中で待ち構えていた儀礼の評定者をラダ・ガート共に倒す。
「四天の星巡りに挑みし者達よ。汝らは見事におのれの強さを示した。」
「白灰の試練場、戦士の儀礼の守護者として汝らの勝利を讃えよう。」


ラダ・ガートが言う。
「昔、魔祖の血族と呼ばれる厄介な連中と戦ったことがあってな。」
「右手にその時に負った古傷がある。」
「大事な時に限ってこうして痛み、いつまでも己の愚かさをつきつけてくる。」
「すまん、主人公。」
「このような話、退屈だったな。」
「この場でなすべきことはすべて片付けたようだ。」
「一旦そなえの場へ戻るとしよう。」


主人公とラダ・ガートは戦士の儀礼場を後にし、そなえの場に戻った。


主人公とラダ・ガートはそなえの場から神都フォーリオンに向かった。
神都フォーリオンに着くとフォステイルがやってきた。
「おや?君も天使達に捕まったのかい?ラダ・ガート。」


「ああ。お前もか、フォステイル。」
「死んだ後までこき使われるとはな。」
「だが引き受けた以上はやり遂げる。」
「そうだ、こいつを紹介しておこう。」
「白灰の試練場で会った主人公。」


フォステイルが微笑む。
「やあ、久しぶりだね。」
「君ならきっと英雄の一人として選ばれると思っていたよ。主人公。」


ラダ・ガートが驚く。
「そなたは現代のアストルティアに生を受けた者ではなかったのか?」
「何故フォステイルと・・」


「さあ、何故だろうね。ふふ。」
「ご想像にお任せするよ。ねえ、主人公。」


「ただ者ではないと感じていたが、やはりそなたはフォステイルが認めるほどの人物なのだな。」


フォステイルが言う。
「偉大なる功績を成し遂げたる英雄が死を迎えし時、導きの天使が舞い降り、天星郷へと英雄を導く。」
「ただの伝説だと思っていたけど、実際にこの地でさまざまな時代の英雄と出会って、伝説は真実だと知ったのさ。」


ヘルヴェルがやってきた。
後ろには天使ユーライザもいる。
「どうやら無事に最初の試練を乗り越えたようだな。」
「この者達が試練を乗り越えたことは審判の天使たる私が認める。」
「だが、この者は試練に挑む前に魂の燭台を紛失してしまった。」
「己の力で魂の燭台を見つけ出し、白灰の試練を乗り越えたようだが、これは四天の星巡りの根幹をゆるがしかねない事態。」


ユーライザが驚く。
「魂の燭台をなくした?」
「まことですか、ヘルヴェルお姉様。」


「公私はわきまえたまえ。ユーライザ。」
「魂の燭台紛失の件については天使長にご相談にうかがったが、ご不在だったため、まだ結論が出ていない。」
「天使長よりご判断が下るまで主人公には試練に挑まず待機しているよう指示したのだが。」


子供の天使が言う。
「審判の天使に待機を命じられていたなら、そもそも試練への挑戦権がない。」
「今回の白灰の試練場での勝利は無効では?」


ラダ・ガートが言う。
「待て、戦士の儀礼場の謎かけは全て主人公が解いてくれたのだ。」
「俺は手伝っただけにすぎない。」
「戦士の儀礼場の守護者との戦いでも俺をかばってくれたのだ。」
「すべて主人公の功績なのだぞ。」


アルビデが言う。
「少しばかり調べたのですが、我らが盟主・女神ルティアナ様を死に至らしめたのは主人公だったのです。」
「偉大なる大魔王・主人公殿は女神ルティアナ様を死なせた。」
「幾度か世界を救った者だとしても、我らが盟主を犠牲にした者を英雄と認められるものか。」


ユーライザが怒る。
「妄言もたいがいになさい。」
「英雄の選定は天使長様が決めたことと貴方がたもよく知っているはずです。」


天使長が現れた。
天使長の体から強い光が放たれており、姿は確認できない。
「皆の者、そこまでだ。」
「先刻のそなたからの報告、使いの者より聞いたぞ。」
「主人公、ようこそ我らが都・フォーリオンへ。」
「魂の燭台を無くしたというのに最初の試練を乗り越えるとは、なかなかやるではないか。」
「女神ルティアナをもしのぐ力の持ち主が四天の星巡りに挑むとは実に面白い。」
「ヘルヴェル、魂の燭台の件は不問といたせ。」
「主人公、ラダ・ガート、フォステイル。そなたら3名を加えて四天の星巡りに選ばれし英雄は総勢10名。」
「汝ら10名が揃ってすべての試練を乗り越え、私とまみえる日を楽しみにしているぞ。」
天使長の光が消えた。


「主人公、天使長の寛大な措置に感謝したまえ。」
「それでは白灰の試練状を乗り越えし二人に私、審判の天使ヘルヴェルが祝福を与えよう。」
主人公とラダ・ガートが持つ魂の燭台に炎が灯った。
「これで終わりではない。」
「貴公ら英雄のために用意された試練場は全部で4つ存在する。」
「その全てを乗り越えることが四天の星巡りなのだ。」
「神都の外に各々の試練場へ通じるゲートがある。」
「残り3つの試練場全てに挑みたまえ。」
「一つ試練を乗り越えるごとに貴公らの魂はさらなる高みへと昇華する。」
「試練を乗り越えた者には、審判の天使が魂の燭台に炎を灯す。」
「そうして4つの炎を勝ち得た時、貴公らは再び天使長に相まみえ、四天の星巡りの目的、この地へと導かれた真の意味を知ることになるだろう。」
「いまだ生ある者を英雄として招くのは特例中の特例。」
「ユーライザの強い推薦があってのこと。」
「今後はいっそう行いに気をつけたまえ。」
「ユーライザの信頼を裏切るならば私が許さぬ。」
「よいな、主人公。」


黄金の試練場に向かうと3名のドワーフがやってきた。
「よう。お前も四天の星巡りの挑戦者か?」
「お前、運がいいぜ。」
「アストルティア史上一番の大英雄である俺たちに会えたんだからな。」
「同じ英雄のよしみで特別に名乗ってやろうじゃねえか。」
「我ら、ドワチャッカ大陸に羽ばたきし自由の翼。」
「山神イプチャルの加護を受け、大陸にはびこる魔物を打ち倒し、民を救し者なり。」
「ドワチャッカ大陸を開拓せし大英雄、その名は・・」
「閃光の斧!カブ!」
「震天の槌!ナンナ!」
「賢哲の盾!ドルタム!」
「我ら!大地の三闘士!」
「ってなわけだ。」
「カルサドラ火山にある俺たちの像、見たことくらいはあるんじゃないか?」
「天使に聞いたんだが、俺たちが死んだ後、とびきりでっかいのが建てられたっていうじゃねえか。ありがたいもんだぜ。」
「そうだ。お前のことを聞いてなかったな。どんな英雄なんだ?」
主人公は自己紹介した。
「勇者の盟友だと?」
「始まりの大魔王ゴダを撃退したあの勇者の盟友なのか?お前の名前は?」
「・・なんだ。違うのか。」
「勇者と盟友って何組もいたんだな。」
「ま、よろしくな、主人公。」
「見ろよ、あの神殿を。」
「あの壮厳な神殿で試練とやらが行われるに違いないぜ。」
「よし!これよりあの神殿に突撃する!」
「気合い入れていくぞ!」


途中、祈願の神殿に立ち寄ると、ヘルヴェルの後ろにいた子供の天使がいた。
「いらっしゃいませ。ほしいものがあればなんでもおっしゃってください。」
突然、アストルティアの民達が出現した。
「ようこそ、アストルティアの民よ。」
「あなたたちの願いを叶えてくれる品々をこちらで販売しておりますよ。」
アストルティアの民達が喜び、買い物を始めた。
「天星の果実ですね。」
「お買い上げありがとうございます。」
「これであなたの願いは叶いますよ。」


アストルティアの民達は買い物が終わるとどこかへ消えていった。
「失礼しました。」
「あなた達は四天の星巡りの挑戦者だったのですね。」
「ではあらためてご挨拶を。」
「僕はクリュトス。」
「黄金の試練の審判の天使であり、この祈願の神殿を管理する者でもあります。」
「ここは太古の昔よりアストルティアから訪れし者に奇跡を与える場。」
「人々の願いを叶える神殿です。」
「彼らは心から叶えたい願いを抱えてここへと導かれた。ヒトの強固なる想いは天へと至る奇跡すら起こしうるものなのです。」
「ご心配なく。彼らは無事にアストルティアへと帰ります。」
「もっとも、ここに来たことは覚えていませんが。」
「僕は彼らの願いを叶えるアイテムを与え、対価として彼らのもつ感謝のエネルギーを回収させてもらってるんです。」
「アストルティアの人々が生み出す感謝の気持ちには計り知れないほどのエネルギーが宿っているのです。」
「人が生きるのに火や水を使うのと同じように、僕ら天使は人々からの感謝のエネルギーを天星郷での生活に役立てています。」
「僕は天星郷に住む天使たちの生活を支えるためにこの祈願の神殿で感謝のエネルギーを集めているのです。」
「残念ながら彼らから感謝のエネルギーを直接回収するのはとても非効率なんです。」
「しかし、研究の結果、僕は突き止めました。」
「人々が使用する貨幣・ゴールドには感謝のエネルギーが宿りやすいということを。」
「というわけで、エネルギーを効率的に回収するためにこの神殿でアイテムを売り、お金を稼いでいるのです。名案でしょう?」
「では、さっそくあなたたちに黄金の試練を課しましょう。」
「試練の内容は、この神殿で、みなさんで協力して100万ゴールド稼いでください。」
「人々の願いを叶え幸福をもたらすのも英雄の役目です。」
「これを乗り越えられなければ魂の燭台に炎が灯ることはありません。」
「ここでみなさんが100万ゴールド稼ぎ、僕が感謝のエネルギーを回収することで試練は完了とします。」
「異論は認めません。」


カブ達とお金稼ぎを始めた。
休憩中、カブと話をする。
「この時代から4000年ほど前。あの頃のドワチャッカ大陸はおよそ人が住めるような土地じゃなかった。」
「凶悪な魔物達に支配され、大地は荒れ果て・・俺たちドワーフは山奥や岩穴に隠れて惨めな暮らしをしてたんだ。」
「外に出れば魔物に殺される。だけど穴の中にはロクに食べ物なんてなく、植えて死ぬしかなかった。」
「まさに地獄だったね。」
「子供の頃から毎日ずっと、外には恐ろしい魔物がたくさんいるから出ちゃいけないって言われてたんだ。」
「大人も子供も暗い顔をしてて。」
「みんな生きることをあきらめてしまってた。」
「だが俺はアナグラの中で一生を終えることなんて耐えられなかった。」
「なぜ俺たちはこんな目にあわなきゃならない?暗い穴の中で死を待つだけの人生なんて糞食らえだ。」
「俺は毎日自由を夢見ていた。」
「輝く太陽の下に飛び出したかった。」
「だから兄弟分のナンナとドルタムを連れて命懸けの旅にでたのさ。」
「俺たちの住む世界を手に入れるためにな。」
「毎日のように魔物と戦い、大変だった。」
「魔物はとっても強くて何度も死にそうになったけど、3人で力を合わせて生き延びていった。」
「そしたらドワーフの仲間が穴の中から出てきて協力してくれるようになった。」
「たくさんのドワーフ達が旅の応援をしてくれた。」
「俺たちが魔物を倒して、住めそうな土地を切り拓いて。」
「みんなで協力してクワで土地を耕して、家を建てて。」
「少しずつ地上にドワーフの集落を増やしていったんだ。」
「最終的には数えきれないほどのドワーフが俺たちについてきちゃってさ。」
「それはでっかいキャラバンになった。」
「大陸を巡り、魔物どもを倒し続け、何年もかけて俺たちはついに大陸の端から端まで踏破したんだ。」
「あの日のあいつらの顔、今でも忘れられないぜ。」
「やっと自由と平和を手に入れて喜びで顔がキラキラ輝いているんだ。」
「さっき来てた客達みたいにさ。」
「俺たちはすでに死んじまった身ではあるが、あいつらの、ドワチャッカ大陸の民の笑顔と幸せをずっと守っていきたい。」
「それが俺の新しい夢だ。」
「そのための力を手に入れるために俺たちは四天の星巡りに挑んだんだ。」


50万ゴールド貯まった時、エメルダという女性客がやってきた。
ペンダントを手に入れてくれと言われ、探し出してあげた。
謝礼に50万ゴールドをもらい、目標の100万ゴールドを達成した。
クリュトスに報告すると、厄魔ポヴァディウスが現れた。
「我が名は厄魔ポヴァディウス。」
「そこな金はすべていただいてゆく。」
「この世の金はすべて我のもの。」
「憎き金持ちどもに渡してなるものか。」
「我はこの金を使い、今度こそ・・」
主人公はカブ達と協力して厄魔ポヴァディスを倒した。
「俺だってこんな風になりたかったわけじゃない。」
「貧しさから逃れたかっただけだ。」
「俺はかつてただの人間だった。」
「貧乏な家に生まれ、その日の食い扶持にも困る毎日を送っていた。」
「どんなに真面目に働いてもそれは変わらない。」
「親が作った100万ゴールドの借金も返すことができないドン底の日々。」
「俺にこんな運命を背負わせた神が憎い。」
「俺たちの犠牲の上に立っている金持ちが憎い。」
「毎日そんなことばかり考えていた。」
「その日、俺はついに盗みを働いた。」
「とある富豪が秘蔵していた古いメダルだった。」
「そのメダルに悪魔が宿っていたんだ。」
「俺のような盗みを働く愚か者をそいつはずっと待っていたのだろう。」
「悪魔は俺の前に現れるとこう言った。」
「借金を肩代わりしてやると。」
「その代わり、俺の魂をよこせと。」
「俺は悪魔の誘惑に抗うことができず、奴に魂を売り渡した。」
「そうしてこの力を手に入れたんだ。」
「だが悪魔はやはり悪魔だ。」
「奴は俺に永遠に続く金への渇望と金に触れると朽ちてしまうという呪いを残していった。」
「どんなに金を奪っても触れることができず、この渇望と苦しみから逃れるすべはない。」
「心の奥底にあった願いに導かれたのか、俺は他のやつと同じようにこの神殿へ流れ着いた。」
「どうか、この地獄を終わらせてくれ。」
主人公たちは稼いだ100万ゴールドを悪魔に渡し、厄魔ポヴァディスを解放した。
「人間に戻れた・・」
「俺は・・自由なのか?」
「ありがとう。やっと金の地獄から解放され、俺は救われました。」
「あなた達にに出会えて本当によかった・・」
ポヴァディスは昇天し、きたないメダルが1枚残された。
その時、島主ゴーレックがやってきた。


クリュトスが言う。
「彼はメダル・オーナー・ゴーレック様。」
「現代のアストルティアで1・2を争う大富豪で小さなメダルを求め、よくいらっしゃいます。」
「ゴーレック様ほどの尽きせぬ願望を持つ者はアストルティアの歴史を遡っても滅多に存在しないでしょう。」


島主ゴーレックが驚く。
「あなた!あなたが持っているそれはなんでありますか?」
「自分に見せるであります。」
主人公はきたないメダルを見せた。
「ふおお!これは!」
「この世界にちいさなメダルをもたらしたメダル仙人様が作ったとされる伝説の宝、古代ちいさなメダル!」
「この美しさ、さりげなさ。」
「太古の息吹を感じさせるワビとサビ。」
「なんとすばらしいのでありましょう。」
「あなた、これはおいくらでありますか?」
「100万ゴールドでいかがでしょう。」


主人公たちはゴーレックにきたないメダルを100万ゴールドで売った。
「方法はともあれ、あなたたちは100万ゴールドを稼ぐことに成功しました。」
「では感謝のエネルギーを回収しましょう。」
「これにて完了。」
「審判の天使クリュトスの名において、あなた達の黄金の試練の合格をここに宣言しましょう。」
「お疲れ様でした。」
主人公が持つ魂の燭台に炎が灯った。


「自らの意志を貫いたうえ、このような奇跡を呼び込むなんて。」
「あなた達はまさしく英雄ですね。」


「じゃあな、主人公。」
「フォーリオンで必ずまた会おうぜ。」
「約束だからな。」
カブ達は白灰の試練場へと旅立っていった。


主人公が紺碧の試練場に向かうとウェディーの女性が近づいてきた。
「わたくしはリナーシェと申します。」
「天星郷に招かれた者のひとりですわ。」
「あなたもそうなのでしょう?」
「当代の勇者の盟友主人公様。」
「その高潔なお心と堂々たるたたずまいにも得心がいくというもの。」
「あなたほどのお方を前にしてはわたくしごとき、つまらない女が英雄など・・」
「過ぎた呼び名です。」
「わたくしは戦うことが不得手なのです。」
「これから始まる紺碧の試練を乗り越えることもできるかどうか・・」
「ここであなたと出会えたのも天の導き。」
「どうかわたくしと共に試練へ挑んでいただけませんか?」
「スラピーも一緒に行っていい?」
「仲間とはぐれちゃったの。」
スラピーというのはピンクの迷子スライムでリナーシェが助けてあげたようだ。


リナーシェと共に裁定の清堂に向かった。
青年の天使のもとにスラピーが駆け寄る。
「そなたは英雄リナーシェ殿だな。」
「我が名はカンティス。」
「この紺碧の試練場をあずかる天使だ。」
「ところでリナーシェ殿、まさかそやつと共に参られたのか?」
「リナーシェ殿のお役に立ったのなら、たとえそのような者でも天星郷へ招かれた意味もあるだろう。」
「紺碧の試練は極めて明快。」
「我が定めし番人と戦いこれに勝てばよい。」
「しかし一筋縄ではいかぬぞ。」
「汝らの相手は天星郷でも有数の実力者。」
「心してかかるがよい。」
「さあ、行け!紺碧の覇者・試練の守り人よ!」


試練の守り人・スラピーは元気がない。
「汝らがここへ至る少し前のことだ。」
「一人の英雄が紺碧の試練に挑み、試練の守り人と戦った。」
「その英雄は恐ろしく強く、瞬く間に守り人を追い詰めていった。」
「そしてトドメの強烈な一撃によって守り人は8匹のスライムに分裂し、四方八方へ吹き飛んでしまったのだ。」
「合体した状態ならばいざ知らず、分裂したスライム達は弱い。」
「自力で戻ってくることさえ難しいだろう。」
「このままでは試練が・・なんということだ。」
「せっかく天使長から審判の天使という名誉ある役目を仰せ使ったのに。」
「そうだ、汝らへは試練の内容を変えるとしよう。」
「二手に分かれ、失踪したスライム達を集めよ。」
「すべてのスライムが見つかった時点でより多くのスライムを集めていた方を勝者とし、紺碧の試練を達成したものと見なす。」
「そして敗者は紺碧の試練に失敗したものとする。」
「偉大なる力を与えられるのはどちらか一人のみだ。」


スライムを探し出し、カンティスのもとに戻った。
「すべてのスライムを見つけたと言うことは勝敗が決したのだな。」
「リナーシェ殿は4匹、主人公は3匹。」
「つまりリナーシェ殿の勝利だな。」
「当然の結果だ。」
「貴様のような者が偉大なる力を手にする英雄に相応しいはずがない。」
「そもそも、リナーシェ殿の歌の力があれば天星郷中からスライムを集めることなどたやすかった。」


リナーシェが言う。
「やはり、盟友様を失格にさせようと私に有利な勝負をさせていたのですね。」
「なぜあなたが盟友様を嫌うのかは存じません。しかしあなたがしたことは天使の責務に反する行為ではないのですか?」
「偉大なる力は世界を守る力。」
「4つの試練を乗り越えた者、全員に与えられる。」
「逆に言うと、試練の脱落者が増えれば世界を守る力を持つ者が減ると言うこと。」
「そして世界を守ることが天使の務め。」
「盟友様を試練から脱落させようというあなたの企みは天使の務めと守るべき世界に背くものでは?」
「わたくしの考えが正しいか否か・・」
「天使長さまに報告してご判断いただいてもよろしいのですよ。」
「そういえば審判の天使とは天使長さまより仰せつかった名誉あるお役目、でしたわね。」
「カンティスさまの不手際のため、わたくしたちがスライムさんを探しに行く事態になったと天使長さまはご存知なのでしょうか。」


カンティスがため息をつく。
「いいだろう。」
「ならば本来の試練を受けてもらおう。」
「試練の守り人と戦い勝利してみせよ。」
「天星郷指折りの実力者、紺碧の覇者・ホーリーキングにな。」


主人公とリナーシェは協力してホーリーキングを倒した。
「汝らの勝ちだ。」
「少なくとも主人公、貴様の強さだけは認めねばならんな。」
主人公が持つ魂の燭台に炎が灯った。


「カンティスさまにお考えを改めていただくことができてよかったです。」
「実はわたくし、これでも過去には一国を治めていた身ですので交渉ごとには慣れておりますの。」
「まだお話ししておりませんでしたね。」
「わたくしは600年ほど前のウェナ諸島に生き、ヴェリナード王国のいしずえを築いた者です。」
「わたくしの死してのち、世の人々はヴェリナード王家の始祖であるわたくしを始源の歌姫と呼んだそうです。」
「ただしその名も当時の歴史も300年前、バサグランデという魔物がウェナ諸島を襲った混乱により現代では失われているそうですわ。」
「天星郷に招かれ目覚めたとき、天使様からそう伺いました。」
「唄うことしかできず剣も持てないわたくしが全ての試練を成し遂げ偉大なる力を手に入れられるかはわかりません。」
「けれど英雄としてこの時代、この場所にかりそめの命を与えられたこと、天に感謝しておりますの。」
「だって、あなたに会えたから。」
「すべての試練を乗り越え、また相まみえることを心から願っておりますわ。」
「それでは盟友様、ごきげんよう。」


主人公は深翠の試練場に向かった。
エルフの男が現れた。
「もしかしてあなたがフォーリオンに連れてこられた者の中で唯一、今のアストルティアに生きるという?」
「天使達から聞いたんです。ではあなたが主人公さんですね。」
「私は名乗るほどの者ではありません。」
「試練を受けろとここに案内されたのはいいのですが、見たこともない植物が生い茂っている得体の知れない森ですからね。」
「周囲の様子を木の上からうかがっていたんです。」
「そうしたらちょうど天使から聞いていた人相通りの方が通りかかったので思わず声をかけてしまいました。」
「では現代に生きるあなたに問いたい。」
「今はすでに滅んでいるでしょうが、ヤマカミヌという名の国をご存知ですか?」
「聞いたことがない・・ですか。」
「ならばいいのです。忘れてください。」
「それではこれにて。」
「奥に花園ような気になる場所があったので試練を探して行ってみようと思います。」
エルフの男は立ち去っていった。


豊穣の密林から生誕の花園に入ると先ほどのエルフの男と女性の天使がいた。
「まあまあ、英雄さんが二人も同時にいらっしゃるなんて今度の試練は大忙しですわ。」
「生誕の花園にようこそ。」
「私はフェディーラと申します。」
「深翠の試練を担う審判の天使ですよ。」
「お待ちしていましたわ。ハクオウさん、主人公さん。」


ハクオウが頭を下げる。
「やれやれ、先ほどは失礼いたしました。」
「聞いての通り、私の名はハクオウといいます。」


「それじゃ、さっそく深翠の試練の説明を始めますわよ。」
フェディーラは巨大な卵をとりだした。
「こちらは英雄の魂の力を受けて育つ特別なタマゴちゃんです。」
「このタマゴちゃんを、ここ深翠の試練場で大切に育み立派な姿に成長させてください。」
「それが私からの試練ですわ。」
「しかも今回はお二人の英雄さんが同時に来られたので、特例として協力ルールにいたしましょう。」
「お二人で力を合わせてタマゴちゃんを育ててください。」
「どちらか片方が失敗したらお二人とも失格なので協力が大事ですよ。」


ハクオウが卵にコウリンという名前をつけた。
「まあ、コウリンちゃん。とっても素敵なお名前ですね。」
「それじゃ、お名前を呼びながらお二人で殻をノックしてタマゴちゃんを目覚めさせてあげましょう。」


コウリンが目覚めた。
「うふふ、コウリンちゃん、よろしくね。」
「これで目覚めの儀式は終了ですわ。」


主人公とハクオウは協力してコウリンを立派な姿に成長させた。
主人公とハクオウは命脈の神殿に向かい、コウリンが大人になるための儀式を受けた。
「残念ですが、コウリンちゃんは真の姿を授かることができませんでした。」
「さあ、各々、この天命の水晶ビンを受け取りなさい。」
「このビンを持って密林のモンスターを倒せば、少しずつ生育の星砂が貯まります。」
「それがコウリンちゃんの成長の鍵になります。」


主人公とハクオウは生育の星砂をビン一杯に集めた。
コウリンは生育の星砂を飲み、立派な姿に成長した。


ハクオウが主人公に礼を言う。
「私はかつて仲間の犠牲を恐れるあまり己の力を見誤り、大いなる敵にたった一人で挑んで、そして敗れ、命を落としました。」
「そのせいで私の祖国ヤマカミヌ王国は滅びてしまいました。」
「私は6000年前、世告の姫により災厄の王を倒すために見出され、時の王者を継いだ者です。」
「そして、そのコウリンという名は私の親友だった者の名前なのですよ。」


主人公が持つ魂の燭台に炎が灯った。
「試練ではあなたにずいぶんとお世話になりました。」
「改めて礼を言わせてください。」
「この先でも我らの道が再び交わることを願っています。」


すべての試練に合格し、四天の星巡りを達成した。
神都フォーリオンの聖天区画へ進み、天使長に会いにいった。
「私は列車が大好きでねえ。」
「人類の発明品の中でこいつがピカイチさ。」
「これはね、400年前、大陸間鉄道の開通式に出席したとき配られた記念の品なんだよ。」
「よくできているだろ?」
「まあ、出席したといっても、翼を隠し、お忍びでなんだがね。」
「天使やフォーリオンの存在はアストルティアの民に秘匿されている。」
「陰ながら世界を見守るのが祖先がルティアナ様と交わした約束なんだ。」
「英雄達に試練を課すのも我らの使命。」
「世界の守護をまっとうするためでもある。」
「ほう、やはり美しいな。」
「四天の星巡りを乗り越えた英雄の魂というものは。」
「まばゆい光に満ちている。」
「よくぞ四天の星巡りを突破してくれた。」
「さすがはユーライザの見込んだ者よ。」
「前置きが長くなったね。」
「私は聖天舎を預かる天使長ミトラー。」
「まあ、簡単に言えば四天の星巡りを司る者達の長だ。」
「お前の突破してきた四天の星巡りは英雄の魂を鍛えるためのもの、というのはすでに気づいているかな。」
「鍛え抜かれた魂のみが我らの望む高みへと到達しうる。」
「だからお前には期待しているんだよ。」
「フォーリオンにはお前に反感を抱く者も少なくないが、実力を認めている者もいる。」
「その点だけは忘れないようにね。」
「さて、四天の星巡りを乗り越えた者には最後の仕上げとしてみそぎを行なってもらうことになっている。」
「みそぎとは、偉大なる力を得る前にこれまでの罪や汚れを払う儀式だ。」
「偉大なる力がいかなるものかは、みそぎを終えた後に明かすとしよう。」
「今はしばし待ってくれたまえ。」
「みそぎは浄罪の泉にて行える。」
「聖天区画の東にある建物を目指すといい。」


浄罪の泉に入ると人間の男性がいた。
「ふーん。水瓶から流れる水を浴びるだけでいいのか。」
水瓶から汚れた水が出てきた。
「くせえ!どうなってんだ?」
「汚れた水でみそぎをやれってのか!」


アシュレイが主人公に気づく。
「俺はアシュレイ。生前は勇者をやっていた。」
「しかも初代なんだぜ。」
「始まりの大魔王ゴダを倒したのは何を隠そう、この俺さ。」


主人公はアシュレイに勇者の盟友であると自己紹介した。
「盟友。そうか、盟友なのか。」
「いいじゃないか。勇者と盟友で仲良くやろうぜ。」
「臭いがきつくなってきたな。」
「鼻が曲がらないうちに天使長に報告しにいこうぜ。」


アシュレイと共に天使長のもとに向かう。
主人公は浄罪の泉が汚水まみれになりみそぎができなくなったと天使長に伝えた。
「汚水だと?」
「すまない。天星郷始まって以来の事故だ。」
「言葉を失ってしまったよ。」
「いにしえの大崩壊の日でさえ、奴らにフォーリオンが蹂躙されても、あの水源だけは汚されなかった。」
「それはひとえに女神の加護があったゆえ。」
「もはや加護は失われてしまったのか・・」
「お前達に泉の浄化を頼むとしよう。」


主人公とアシュレイは聖天舎の書庫で浄化の方法を見つけ、清めの大玉を作成するのに必要な破邪の黒曜石を探しに向かった。
破邪の黒曜石は古のエテーネ王国にあり、主人公が一人で向かうことになった。
破邪の黒曜石を探し出し、聖天区画に戻ると、アシュレイそっくりの男性がやってきた。
「アシュレイを知ってるのか?」
「そうか、兄貴の知り合いか。」
「アシュレイは双子の兄でね。」
「俺の名はレオーネ。初代勇者の盟友だ。よろしくな。」
「アシュレイの奴とは別々にここに来て四天の星巡りでもあいつ、常に先行しててさ。」
「まだ再会できてないんだ。」
「ふふ、でも俺のことはしばらく兄貴には内緒な。」
「驚かせてやろうと思うんだ。」
「君も英雄のようだけど・・」
「ほう、君が主人公か。」
「四天の星巡りを始めたのはつい最近なのにものすごい勢いで追い上げる者がいると聞いていた。」
「それが君だったんだね。」
「会えて光栄だ・・っと、しまった。」
「聖天舎はどっちかな?」
「あとでゆっくり話そう、主人公。」


書庫に戻った主人公はアシュレイに報告し、清めの大玉の調合を頼むため薬師サワディエルのもとに向かった。
サワディエルは調合を快く引き受けてくれ、清めの大玉の入手に成功した。
水源のある神代の遺構に向かうと、レオーネもやってきた。
アシュレイが驚く。
「レオーネなのか!昔のまんまじゃないか。」
「夢みたいだよ。」
「お前も英雄として蘇っていたなんて。」


「審判の天使達が何かにつけて初代勇者のことをほめそやすから、こっちは兄貴がいるのを知ってた。」
「途中からは主人公の名もよく聞くようになったな。」
「お前の驚く顔が見たくて、主人公には口止めしていたのさ。」


アシュレイが言う。
「試練だのなんだの、流されるようにこなしてきたけど、こんなうれしいことが待ってるなんて思いもしなかったよ。」


「だいたいの事情は天使長から聞いている。」
「俺も協力させてもらうよ。」


主人公、アシュレイ、レオーネの3人は泉の水源にたどり着いた。
汚染源のドロヌーバを倒すと、中から「脈動する鉱石」が出現した。
主人公は清めの大玉を泉に放り投げ、水源を浄化した。


浄罪の泉に戻りみそぎを行う。
泉の番をしている天使に話を聞く。
「みそぎとは前世でおかした罪や背負った汚れを払う儀式。」
「泉の水はルティアナ様が流した涙でできているという言い伝えもありましてね。」
アシュレイ、レオーネの順にみそぎを行い、主人公の番になるとユーライザがやってきた。
「四天の星巡り、突破できましたね。」
「あなたならやり遂げると信じてました。」
「ここでの晴れ舞台は私も見学させてもらいます。」


主人公がみそぎを行なっていると、「脈動する鉱石」が拍動した。
ユーライザが近づいてくる。
「なんですか?それ。」
「なんとも得体の知れないものですね。」
「みそぎの妨げになるといけません。」
「私が預かっておきましょう。」
主人公は「脈動する鉱石」をユーライザに預けた。


みそぎを終えた主人公のもとに天使長ミトラがやってきた。
後ろにはフォステイル、ラダ・ガート、リナーシェ、カブ、ナンナ、ドルタム、ハクオウがいる。
「うんうん、みそぎはすんだようだね。」
「お前達が輝いて見えるよ。」
「さあ、お前達もみそぎを済ませな。」
「でないと話が始まらないよ。」


英雄達はそれぞれみそぎを済ませた。
「うむ。見違えたぞ、諸君。」
「生前の罪や汚れは洗い流され、今ここにその魂は清められた。」
「一度は人生をまっとうした諸君にかりそめの命を与え、度重なる試練を課した。」
「さぞかし理不尽に思ったことだろう。」
「だがすべてはアストルティアのため。」
「七柱の種族神はいずれも肉体を失うか、永き眠りについている。」
「そしてルティアナ様までが世を去られた。」
「ここに至り、我らは四天の星巡りと神化の儀を前倒しで実行せざるを得なくなったのだ。」
「実体なき信仰の対象としてのみの神は現実の危機に際し無力。」
「真に求められるのは世界の守護者としての神なのだ。」
「今明かそう。諸君に与えられる偉大なる力とは、神の力そのものである。」
「四天の星巡りとは、人の身である英雄を神の高みに昇らせることを目的とし、その魂をきたえあげるためのもの。」
「いにしえより我々天使は新たなる神の候補たりうる者を求めてさまざまな時代で英雄と呼ばれた者の魂を集めてきた。」
「すべては天星郷に伝わる秘儀を用いて英雄を神化させるための営みであったわけだ。」
「近日とりおこなわれる神化の儀を経て、諸君はアストルティアを守る神々の末席へと列せられるのだ。」
「英雄達の資質を見極めるため四天の星巡りを行い、諸君は見事突破してきた。」
「私は全員が神の資格ありと見ているよ。」
「それぞれ思うところはあろう。」
「ただ強制だけはしないと約束する。」
「諸君には考える時間を与えよう。」
「そして神化の儀を受けるとの同意を得たのち各々の魂の燭台に最後の炎を灯そう。」
「特に主人公、お前は他の英雄と違い、生きながらにしてフォーリオンに招かれた者だ。」
「神化とは、すなわち人間をやめること。」
「その決断は重かろう。」
「受けるか否か、お前の自由意志を尊重したい。」
「儀式の準備が整い次第連絡する。」
「それまで神都の回生堂で疲れをいやしつつ、心を決めておくようにな。」


翌日、回生堂にユーライザがやってきた。
「あなたにお願いがあって来たのです。」
「みそぎの時に妙な石を預かりましたよね?」
「今朝になって思い出したのですが、私は以前あの石を見ていたのです。」
「私の同僚にアルビデという導きの天使がいるのですが、彼を覚えていますか?」
「あなたが神都に着いた時、つっかかってきた嫌味なやつです。」
「実は日頃、手袋をしている彼のてにあれと同じものが埋まっているのをたまたま目撃したことがあるのです。」
「埋まっていたというのは見間違いで、ひょっとしたら装飾品か何かだったかもしれません。」
「とにかくあの赤い石について話を聞こうと思い、今朝からアルビデを捜しているのですが見当たらなくて。」
「今から彼が寝起きしてる官舎を訪ねるつもりなのですが、あなたも一緒に来てくれませんか?」
「実はあの妙な石から邪悪なものを感じたのです。」
「何かよからぬ企みとでも言いましょうか。」
「これから行われる神化の儀のためにもできるだけ不安は取り除いておきたい。」


アルビデの住む官舎を訪ねた。
アルビデは留守だったが、神代の遺構の地図に印がつけられていた。
神代の遺構は天使達の祖先が暮らしていたずっと昔の神都の跡のようだ。
しかし大崩壊と呼ばれる災害が起き、神都は住めなくなるほど汚染されて、やむなく放棄したらしい。
今の神都はかつての神都の上に土台を作り、新たに建造したものだ。


ユーライザと共に神代の遺構に向かうと北西にある建物の中でアルビデが死んでいた。
「一体ここで何が・・」
アルビでの左手を見ると、ついていたはずの「脈動する鉱石」が無くなっていた。
「そんな・・これと似たものが確かにアルビデの手についていたのに・・」
「でもこの赤いアザ・・まるで傷跡のよう。」


近くに複数の「脈動する鉱石」が垂れ下がっている植物があった。
「こんな植物見たことがない。」
「それにこの感触、まるで石のよう。」
「主人公から預かっている鉱石と似ているわ。」
「アルビデが偶然ここに来て死んだとは思えない。」
「水源に現れた魔物が落としたものと、アルビでの左手に付着していたものが同じだとするなら・・」
「みそぎも邪魔されたとフェディーラ様から聞いています。」
「気味が悪い。まるで神化の儀をさまたげようとする意思が働いているかのよう。」
「これは私の手には負えない。」
「死者が出てる以上、天使長の判断をあおがねばなりません。」
「私は聖天舎に戻りこの件を天使長に報告します。」
「あなたは回生堂に戻ってください。」
「神化の儀をおこなうとの連絡がそろそろ来るかもしれません。」
「アルビデをこのままにしておくのは心苦しいですが、いったんここを出ましょう。」


主人公は回生堂に戻った。
その日の夜、主人公のところにレオーネがやってきた。
「なにやら天使と一緒になって調べ物をしていたそうじゃないか。」
「誰かのためにあくせく走り回るところがいかにも盟友らしい。」
「皮肉で言ってるんじゃないよ。」
「俺だって勇者の盟友と呼ばれていたからね。」
「だからなのかな。君には近しいものを感じるんだ。」
アシュレイが盗み聞きしている。
「俺が生きていたのは太古の昔。」
「始まりの大魔王ゴダの侵攻があった時代だ。」
「人生の大半が戦続きの日々だったよ。」
「家を焼かれ、死体の山が築かれ・・」
「人類の領土が徐々に削られていく。」
「生き地獄のような時代だった。」
「それに比べて今はどうだ?」
「聞けば大魔王の侵略を最小限の被害で抑えられたそうじゃないか。」
「当代の勇者と盟友はすごいよ。」
「俺たちには出来なかった芸当だ。」


アシュレイが部屋に入って来た。
「お、二人とも。こんなところにいたんだ。」
「さっき、使いの天使がやってきてな。」
「明日、神化の儀をやるってさ。」
「まいっちゃうよな。英雄なんてご大層な肩書きで復活させられたってだけでもなんでって感じなのによ。」
「なのに今度は神様だぜ。」
「あのグランゼニス神と対等になるのか。」


レオーネが言う。
「グランゼニス神は俺らの時代でもお姿を見せなくなっていたが。」
「天使長の話からするとグランゼニス神はいまだ眠ったままのようだね。」
「それならバチがあたる心配もないか。」


「ま、そんなわけだからさ。」
「お前らもしんみりしてないで下に来いよ。」
「一緒に夜通し騒ごうぜ。」
主人公とレオーネはアシュレイに連れられて1階に下りた。
英雄達の宴は大いに盛り上がった。
そして夜が明けた。


主人公は天の聖壇に向かう途中、ユーライザと話をする。
「あのあとアルビデの死を天使長に報告し、奇妙な石も証拠として提出しました。」
「でも立ち入り禁止の危険地帯で起こったことだけに、ただの事故死として処理されてしまいました。」
「神化の儀が目前に迫っているのでおおごとにはしたくないのでしょうね。」
「ならばこそ、なおのこと原因を究明しなければならないはず。」
「この件をうやむやにしたまま神化の儀を行うのは抵抗があります。」


ユーライザとともに天の聖壇に向かう。
フォルティルがまだ来ていないようで、心配したヘルヴェルが迎えに行った。
神化の儀はすでに始まっていた。
天使長ミトラーが英雄達に言う。
「四天の星巡りによってみがかれ、そして禊によって清められた諸君の魂は神への階梯を昇る資格を得た。」
「かりそめの血肉を捨て、女神が創りたもうたこの世界を支えるあらたなる柱となることを誓うか?」
「よろしい。魂の燭台に最後の炎を。」
主人公とフォルティルを除く全ての英雄の魂の燭台に炎が灯った。
「続いて誓いの証として魂の燭台を神化の光炉に投げ入れよ。」
英雄達は魂の燭台を神化の光炉に投げ入れた。
神化の光炉から炎が飛び出す。
「その神化の炎は霊的には諸君の分身であり、かつ神化を促す触媒でもある。」
「神化の炎を己の中に取り込むのだ。」
英雄達は神化の炎を取り込んだ。
「今ここに、アストルティアを守護する八柱の神々が顕現した。」


英雄達の様子がおかしい。
皆が魔の心を宿し、アストルティアを滅ぼすため地上に堕ちていった。


ラダ・ガートだけがその場に残った。
「天使の誘いに乗り天星郷に導かれたのがそのそもの誤りだったのだ。」
「なぜなら俺は英雄の器ではないからだ。」
「無邪気に夢を追い求めた結果、娘や仲間が犠牲となり果て、のうのうと自分だけが生き延びてしまった。」
「名君と呼ばれ歴史に名を刻んだが、何が名君か。」
「何が英雄ラダ・ガートか。」
「さあ、主人公も神になれ。」
「お前と俺で天星郷を滅ぼそうぞ。」
「俺なんかを英雄に選んだ挙句、絶大なる力を授けてしまう愚かなる天使共に鉄槌を下そう。」
主人公は襲いかかってくるラダ・ガートを倒した。


天使長ミトラーがいう。
「確かなのは英雄達が邪悪な何かに変質してしまったことだけだ。」
「倒れてもなお邪悪な気を放つか。」
「これ以上暴れられては洒落にならん。」
「封じるなら弱っている今しかないな。」
ラダ・ガートの魂をツボの中に封印した。
「以前はこんな色ではなかった。」
「この濁りを除去しないかぎり復活させるわけにはいかんな。」


ヘルヴェルが戻って来た。
「我々はとんでもないものを世に解き放ってしまいました。」
「悪神を野放しにはできません。」
「ただちに主人公に神化の儀を行い神となさしめましょう。」
「そして悪神の討伐に向かわせるのです。」
「この者と他の英雄にはひとつ大きな違いがあります。」
「それは生者であること。」
「生者の魂なら神化の儀に成功するのではないでしょうか。」
「手をこまねいていても状況は悪くなる一方です。天使長!」


天使長ミトラーが首をふる。
「だめだ。許可できない。」
「まずはラダ・ガートの魂を調べ、濁りの原因を確かめるのだ。」
「その過程でなぜ神化の儀が失敗に終わったのかが見えてくるかもしれん。」
「何一つわからぬまま儀式を強行してもいたずらに傷口を広げるだけだしな。」
「神化の儀はひとまず中断とする。」
「皆それぞれの持ち場に戻るように。」
「別命あるまで待機だ。」
「フォステイルがついに姿を現さなかったのも気になるな。」
「こちらもあとで対処せねばならぬか。」
「行方をくらませた悪神どもが大人しくしているはずがない。」
「遠からず世界に災いをもたらすだろう。」
「我々も悪神の行方を全力で追う。」
「彼らの行方が掴めたときはお前も英雄の一人として手を貸しておくれ。」


フォステイルが建物の上から不気味な笑顔で主人公達を見下ろしていた。


ー続くー