主人公は、真のセレドの町にやってきた。
すると偽のセレドの町にいたリゼロッタにそっくりな少女が歩いてきた。
「どうしたの、じっと見て。私の顔に何かついてる?」
「こんな町、ろくなところじゃないわ。早く立ち去りなさい。」
そう言うと何処かへ行ってしまった。
真のセレドの町は光の河と共に生きる町。
最近原因不明のがけ崩れがおきて、町の東の高台あたりはすっかり瓦礫の山になってしまった。
高台に行くと男性が瓦礫の片付けをしていた。
すると瓦礫の中から、「キラキラした本」が出てきたという。
この本をブラト町長に届けて欲しいと頼まれた。
本を持ってブラト町長の家に向かった。
町長の家には町に来た時に出会ったリゼロッタにそっくりな少女がいた。
この少女は、ブラト町長の娘「ルコリア」という。
ルコリアがキラキラした本を見つけると、それは姉さんの日記帳だといった。
ルコリアはこの日記帳をずっと探してたようだ。
リゼロッタとルコリアは双子の姉妹。
リゼロッタは亡くなってしまったのだとルコリアは言う。
そこへブラト町長が帰ってきた。
ルコリアへの態度が冷たい。
ルコリアがリゼロッタの話をすると、ブラト町長は怒った。
「あんな恥さらし、娘でもなんでもない!」
真のセレドの町にはサダクという旅の霊媒師がいる。
悪霊からこの町を救うためにきたという。
ルコリアの部屋で話を聞く。
「あなた、どこかの町で名誉子供って言われてたことあるでしょ。」
ルコリアは日記を読んで、主人公がリゼロッタに会ったことがあるということを知ったようだ。
リゼロッタに手紙を渡してきて欲しいと頼まれた。
「無茶なことだとわかっているけど、あなたになら出来るような気がするの。」
ブレイブストーンを使って偽のセレドの町に行き、リゼロッタにルコリアの手紙を渡した。
「もう会えないと思っていたのに、あの子から手紙が来るなんて。」
リゼロッタは手紙を読んだ。
「天国の姉さんへ。姉さんが亡くなってどれだけの月日が流れたでしょうか。」
「町は今も重々しい空気に包まれています。」
「私も悲しみで気が変になりそうだったけど、なんとかやっているから心配しないで。」
「どうか天国から見守っていてください。」
リゼロッタに真のレンダーシアのセレドの町でルコリアに会ったことを説明した。
リゼロッタは言う。
「この手紙によると、そちらのセレドの町では私達は死んだことになっているようですね。」
「とにかく、妹が無事のようで安心しました。」
「今日の日記にはそう書きます。」
「ちゃんと日記を書いておかないと大人たちが消えてからどれだけ月日が経ったのか分からなくなってしまうので。」
真のセレドの町に戻って、ルコリアに報告する。
「手紙、届けてきてくれたみたいね。言わなくても私にはわかるの。」
日記帳に新しいページが増えたのだという。
「ルコリアからの手紙を届けてくださったけど、なんだか訳のわからない話をするの。」
「セレドの町がもう一つあって、そこで私達は死んだことになっているとか。」
「ルコリアが無事だとわかって少し安心できたけど、一体どういうことかしら。」
ルコリアは言う。
「あなたに返してもらったこの日記帳、姉さんが死んだ後の日付も日記がつづられているの。」
「このきれいな字はたしかに姉さんの字。天国にいる姉さんの書いたことがこの日記帳に浮かび上がってくるみたい。」
「あなたを試すつもりでお使いを頼んだんだけど、やっぱりあなたは姉さんのところに行けるのね。」
主人公はルコリアに、偽のレンダーシアにあるセレドの町で見てきたことを説明した。
「フィーロ、ミザール、ミラカ。みんなあのガケ崩れで死んだ子たちだわ。」
「あなたが行ったというセレドの町は、死んだ子供たちが住んでいる町なのね。」
「どういう理屈かわからないけど、この日記さえあれば私はずっと死んだ姉さんとつながっていられる。」
町の教会に行くと、ブラト町長がいた。
死んだ子供たちの幽霊がでると言って町民が不安がっている。
その時大きな地響きが起き、教会が崩れてしまい、どこからか死んだはずのリゼロッタの笑い声が聞こえてきた。
町民は死んだ子供たちが大人を恨んで道連れにしようとしていると騒ぎ出した。
しかし教会が崩れたのは幻覚で、実際は崩れていなかった。
ブラト町長は、町民の不安を取り除くため、集会を開くことにした。
ルコリアにリゼロッタの日記を見せてもらう。
「今まで大人に反抗してきた私達だけど、自力で生活するようになってから大人のありがたみがわかるようになったわ。」
「今はみんなで毎日ダーマ神殿に行って、大人たちが早く帰ってくるようにお祈りを欠かさないようにしているの。」
「もしかしたら大人たちとはもう二度と会えないかもしれないけど、祈り続けていればいつか。」
主人公はブラト町長が町民を集めて行っている集会に行った。
「あの古い教会の事故が起きてから、この町は深い悲しみに包まれ、子供の幽霊の姿に怯えるようになりました。」
旅の霊媒師サダクがやってきて言った。
「私は悩みや苦しみから解き放つためにやってきました。」
「恨みを抱いたまま死んでしまった者の魂は悪霊となって生者を呪うのです。」
「厳しいしつけに追い詰められた町の子供たちは大人を嫌い、古い教会に閉じこもって遊ぶようになった。」
「そしてガケ崩れにより命を落とし、この世に恨みを抱いたまま悪霊としてさまよっている。」
「このままだと皆さんは悪霊に呪われ続け、いずれは道連れに。」
「そうならないよう、僕がお守りします。」
そこへルコリアがやってきた。
「あなた、嘘つきね。」
「リゼロッタ姉さんは大人を恨んでなんかいない。この日記帳を見ればわかるわ。」
「教会の事故で死んだ子供たちは自分が死んだことに気がついてないの。」
「子供しかいない死の世界で、どこかに消えてしまった大人たちが帰ってきてくれるのを待ち続けているのよ。」
それを聞いたブラト町長はルコリアを叱りつける。
集会は明後日あらためて行われることになった。
ルコリアのところへ行くと、リゼロッタの日記が無くなってしまったという。
ルコリアは旅の霊媒師サダクがあやしいという。
主人公は日記帳を探しに出かけた。
町の人に話を聞くと、旅の霊媒師サダクはキラキラした本を持ってリンジャの塔へ行ったという。
主人公はリンジャの塔へ向かった。
リンジャの塔、最上階にサダクがいた。
サダクは誰かと話している。
「これは黒仮面どの。私のようなもののためご足労いただけるとは。」
黒仮面の男が、アークデーモンに命令する。
「あれを。」
アークデーモンは、サダクに「祈願の魔像」を渡した。
黒仮面の男が言う。
「計画は順調なのか?」
サダクが答える。
「町の連中は完全に手中に収めました。あとは最後の仕上げにかかるだけです。」
「この魔像に町の大人どもが祈りを捧げれば、その祈りのチカラでセレドの町一帯は偽りの世界に完全に侵食されることでしょう。」
そう言い、偽りの世界のことが書かれているリゼロッタの日記帳を魔法で消滅させた。
黒仮面の男とアークデーモンはその場から消えた。
そしてサダクは祈願の魔像を持って真のセレドの町に向かった。
大魔王マデサゴーラの目的は、「真の世界」を自らが創生の魔力で創りだした「偽りの世界」で侵食させることだった。
この黒仮面の男は大魔王の配下のようだが、一体何者なのだろうか。
サダクの企みを阻止するため、真のセレドの町へ戻った。
町に戻ると、すでに集会が開かれていた。
なにやら怪しいお香がたかれ、町民たちは操られているようだ。
サダクが言う。
「霊を呼び出し、話を聞いてもらうには祈りのチカラが必要。この祈願の魔像に祈りを捧げ、チカラを蓄えるのです。」
「像が祈りのチカラで満たされれば、悪霊と化した子供たちの恨みを消し去り、この場に呼び出してくれるはず。」
町民たちが魔像に祈りを捧げた。
サダクが喜ぶ。
「これでセレドの町は偽りの世界に侵食される。そうなればこの世界のものはすべて塗りつぶされて消え行くのみ。」
「その身が消え去るとも知らぬまま自らの祈りによって滅するがよい!」
そこにルコリアがやってきて、お香のなかに「きつけそう」を入れた。
町民たちは幻覚から目を覚ます。
町民たちは、自分たちの身体が透明になっているのに気がつく。
外を見ると、町を魔瘴(ましょう)から守ってくれている「光の河」が消えかかっている。
サダクは怒り、祈願の魔像のチカラで魔物に姿を変えた。
祈願の魔像のチカラを使ったため、透明になっていた町民の身体は元に戻る。
魔物に姿を変えたサダクは言う。
「逃げても無駄よ。祈願の魔像のチカラを使えばいつでも偽りの世界を呼び寄せることが出来る。」
主人公は、魔物になったサダクを倒した。
セレドの町の光の河は再び輝きを取り戻した。
祈願の魔像が消滅する際に、いくつかの光の玉が出現した。
その光の玉は町に散らばり、偽りのセレドの町に住む子供たちが現れる。
そして現れた子供たちはダーマ神殿に向かって走って行った。
それを見ていたルコリアは、皆にダーマ神殿へ向かうように言った。
ブラト町長と町民たちは急いでダーマ神殿に向かう。
ダーマ神殿の礼拝堂に着くと、偽りのセレドの町に住む子供たちが祈りを捧げていた。
ようやく祈りが届き、大人たちが迎えに来てくれたと喜ぶ。
驚く町民達にルコリアが言う。
「サダクは本当のことも言っていたのよ。」
「祈りのチカラを利用して私達がいる世界に死の世界を重ねようとしてたの。」
「祈願の魔像の影響が残っている今なら、死んだ姉さんと話が出来る。」
偽りのセレドの町に住んでいた子供たちは、大人たちと再会した。
ブラト町長がリゼロッタに言う。
「リゼロッタ、お前はあれからずっとここで私達の迎えを待ち続けていたというのか。」
「お前を失って以来、私はずっと一人で思い悩んでいた。」
「私の厳しいしつけがお前を追い詰めていたのではないかと。」
「守ってやれなかっただけでなく、心細い思いまでさせていたとは。」
「情けない親で、すまなかった。」
リゼロッタは言う。
「やっぱり私達は、すでに死んでいたのね。」
「私あれからパパと同じようにみんなをまとめるようになって、パパがどれだけ大変だったか気づいたの。」
「許して欲しいのは私の方よ。いつもワガママばかり言って。迷惑かけたまま先立つことになってごめんなさい。」
「私達は大人に追い詰められたなんて思っていないわ。だから自分を責めないで。」
「ママやルコリアを大事にして。」
「ルコリア、久しぶりね。」
「離ればなれになってからずっとあなたのことを心配していたわ。」
ルコリアはこう答えた。
「これからは姉さんがいなくても大丈夫よ。今までありがとう。」
子供たちの魂は安心して消えていく。
「ありがとう、ルコリア。それを聞いて安心してこの世を去ることが出来るわ。」
偽りのセレドの町に住んでいた子供たちの魂は、天に召された。
主人公の持つ運命の振り子に、また少し光が宿った。