ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

王家の迷宮の物語 心層の迷宮

『悔恨の園』



「おお、なんというまばゆい輝き。」
「そなたら二人分の命の輝きが我らのような亡霊を引き寄せたのであろうな。」
「それにしても神々しい。」
「ああ、まるであのお方たちのようだ。」
「そなたらを見ていると双子の勇者アシュレイとレオーネを思い出す。」
「この世にまだ神々の争った傷跡が生々しく残っていたころのこと、魔界からの侵略者・大魔王が攻め込んできた。」
「その大魔王を討ち取ったのが双子の勇者アシュレイとレオーネなのだ。」
「双子の勇者に戦いを技を教え込んだ剣聖と呼ばれた男がいた。」
「男は流れ者でゼドラ族にもレビュール族にも属しておらんかった。」
「優しくも厳しいその男は二人の勇者を一人前に育て上げ、ともに大魔王に挑んだのじゃ。」


「大魔王に対抗しうる勇者誕生の預言を巫女様が賜った日に我らの栄光は始まったのだ。」
「勇者は見事大魔王を討ち、巫女様をめとって建国を成し遂げられた。」
「神聖ゼドラ王国の誕生であるぞ。」
「グランゼニス神は我らの前にお姿をお見せにならなくなったが、巫女様だけはお声を届けてくださった。」
「神の言葉を預かる神聖なお役目ゆえ巫女様は諸部族の族長たちから一目も二目も置かれていたのだ。」


「大魔王討伐では二人の犠牲者がいた。」
「一人は双子の勇者の師であり剣聖と讃えられた男・ガーニハン。」
「もうひとりは勇者レオーネ。」
「双子の弟であり私の息子でもあった。」
「たとえ血の繋がりはなくとも本当の子として、レビュール族の男として立派に育て上げたのだ。」
「私も大魔王討伐隊に加わりたかった。」
「しかしレビュール族を率いる立場にある私には許されなかった。」
「許せ、許してくれレオーネ。」
「私が一緒に戦えていたらお前をむざむざ死なせはしなかったものを。」


後悔の念に縛られている霊魂と話をする。
「わかる、わかるぞ。」
「我が心の迷宮の奥まで達したようだな。」
「さあ聞かせてくれ。」
「この後悔の念がなんであるのか。」
主人公は心層の迷宮で知り得たことを話した。
「双子の勇者アシュレイとレオーネ。」
「その師である剣聖ガーニハン。」
「あの戦いで剣聖のみならず双子の弟レオーネ様まで死んでいただと?」
「なんということだ。」
「私のみならずレオーネまで!」
「!」
「そうか、そうであった。」
「私の名はガーニハン。」
「双子の勇者に戦技を叩き込み一人前にした者。」
「私は大魔王との戦いで命を落とした。」
「そんな自分の不甲斐なさに対する後悔の念が私の魂をこの墓に引き寄せたのだろう。」
「そして果てしない年月が存在を希薄にし、消滅のふちに立たせていたようだ。」
「勇者レオーネを死なせてしまったのは無念極まりない。」
「しかし大魔王をやぶり世界を救えたのならばそれでよい。」
「いかなる犠牲を払ってでも大魔王を倒す。」
「それが我らの使命だったのだから。」
「いくぶん心が軽くなった。」
「おぬしたちのおかげでおのれを取り戻し大切なことを思い出せた。」
「ありがとう、今の世の勇者たちよ。」

『断罪の森』



「おお、懐かしくも頼もしい命の輝きよ。」
「私はそなたらの光に導かれこの迷宮に引き寄せられたようだ。」
「そなたら当代の勇者と盟友は歳が近いようだが私の知る勇者と盟友はかなり歳が離れておったよ。」
「盟友と出会った時の勇者はまだあどけない子供でな。」
「大魔王討伐までの十数年の月日で彼らは肉親のような絆を育んだものだ。」
「この平穏が永遠に続けばよいと思ったよ。」
「大魔王討伐に加わった賢者ワルスタットは魔法の才にひいでた俊英であった。」
「元来争いごとを好まぬ性格ゆえか厳しい修行に恐れをなし幾度となく逃げ出したもんじゃて。」
「実戦を意識した修行は常に死ととなりあわせ。」
「盟友も修行になると人が変わりよる。」
「まるで鬼のようじゃった。」
「視察に来た官吏が止めに入るくらいじゃ。」
「3人の過酷な修行は大魔王との戦いに向かう直前まで続いたのう。」


「あったかいねえ。」
「生者、しかも勇者と盟友じゃないのさ。」
「これから大魔王と戦いにいくのかい?」
「それとも倒したあとなのかい?」
「どちらにせよ共に戦い死線を越えたのならこれに勝る幸せはないだろうねえ。」
「あたしの時代の大魔王との戦いは勇者だけが命を落としたんだよ。」
「生還できたのは盟友と賢者のみ。」
「怪我の絶えない厳しい修行の果てに死が待っていたなんてやりきれないねえ。」


「これは喜劇だ。」
「大魔王を倒す前より倒したあとのほうが国が荒廃した。」
「こんなこと誰が想像したであろう。」
「すべてはあの日、大魔王討伐の吉報と勇者の戦死という訃報が同時にもたらされた日に始まった。」
「まさか勇者を失った責を世界を救った盟友と賢者に負わせようとは。」
「当時は誰しもが理性を失っていた。」


誰かの日記を拾った。
大魔王との戦いに向けた過酷な修行の日々が記されていた。
この日記を記憶を取り戻す鍵を欲している霊魂に渡した。
「この日記は・・」
「これは私の日記だ。」
「賢者である私が勇者と盟友と過ごした修行の日々をつづったものだ。」
「一回りも歳のはなれた勇者と盟友は私が知り合った当時から激しい修行に明け暮れていた。」
「無論大魔王を倒すためのな。」
「怪我など当たり前、いずれどちらかが命を落とすのではないか。」
「そう予感させるほど危険な修行だった。」
「大魔王討伐の仲間として修行に付き合ううちこの荒行には大魔王を倒す目的の他にある想いが込められていると気づいた。」
「勇者に生き残って欲しいという想いだ。」
「盟友の厳しさは愛情の裏返しだったのだ。」
「その想いは勇者にも通じていた。」
「だが大魔王との戦いで勇者は死に、勇者を見殺しにしたという疑惑の目が生き残った私と盟友に向けられた。」
「愚かしい、どれほど盟友が勇者の生存を望んでいたことか。」
「苦楽を共にした者以外にはわからんのだ。」
「私は修行の日々をつづった日記を女王にお見せし無実を訴えた。」
「だが女王は厳しい修行の表面しか読み取ろうとはせず盟友が勇者を相手に私怨を晴らしていたと曲解する始末。」
「挙句盟友は勇者を憎んでいたなどと妄言をはくに至り私はようやくおのれの行為が裏目にでたと悟った。」
「それでも心のどこかでわかっていた。」
「自分か盟友、どちらかが泥をかぶらなければ女王の気はおさまらないと。」
「自分を守ろうとすれば必然的に盟友をおとしいれることになる。」
「その罪の意識を自覚したのはすべてが終わった後だった。」
「尽きせぬ罪悪感が眠りのふちから私を呼び覚ましたのだろう。」
「そして永劫の時はその罪の記憶さえ奪い去っていった。」
「ありがとう、当代の勇者と盟友よ。」
「記憶が戻ったおかげで眠りから覚めたわけを思い出すことができた。」
「私の犯した罪は死してなお消えるものではないし、許されもしない。」
「また償うこともできない。」
「亡霊に身をやつそうともこの罪は背負っていくべきものなのだ。」


『哀惜の砂漠』



「これはこれは奇怪な。」
「迷宮で出くわすのは亡者だけかと思ったがそなたのような生者がいようとはな。」
「ふむ、わかるぞ。」
「我が一族にゆかりのある者たちだな。」
「ならば聞け、我らの生きた時代を。」
「神々の争った爪痕が大地に残りし時代、王国などなく大小の部族が寄り集まりチカラを合わせて部族と戦っていた。」
「その中で大きな勢力をほこっていたのがゼドラ族とレビュール族だ。」
「血気盛んで常に互いの強さを競い合っていた。」
「魔界からの侵略が本格化したころ神の預言をたまわった巫女がこういった。」
「ゼドラ族の女が勇者を生むとな。」
「人の世の希望を生むのが同胞ではないと宣言されたのだ。」
「レビュール族としては心中おもしろからぬ預言であったろうよ。」
「人間同士で争っている場合じゃないのに。」


「侵略の危機に直面しながらもゼドラ族とレビュール族は結束しきれなかったわ。」
「双子の勇者が生まれたあとだった。」
「勇者を抱えるゼドラ族の発言力が日に日に増し、一方で二大部族の仲は険悪になっていった。」
「そんなとき、巫女様は双子の勇者のどちらかをレビュール族に里子に出すべしという預言を神様よりたまわったわ。」
「期せずして勇者というみこしを得たレビュール族の態度はすぐに軟化した。」
「表面上一致団結したけれど、本当の家族と引き離されることになった双子の弟が気の毒でならなかったわ。」


「ほほう、おぬしの命の輝き、双子の勇者のそれに近いな。」
「勇者がそれに近き者とお見受けした。」
「当時、勇者のほかに強い命の輝きを放っていたのが神の預言をたまわる巫女と呼ばれるお方であったよ。」
「神聖な役目をになう存在ゆえ族長たちといえども頭が上がらんかった。」
「支配者ならずとも巫女の言葉は絶対じゃ。」
「初代の巫女は比類なき威厳を備えていたが、高齢ゆえ片方の勇者を里子に出すべしとの預言をたまわった日に身まかれた。」


「2代目の巫女は戦技にも長け、みずから大魔王討伐に参加したほどの傑物でした。」
「のちにゼドラ王国の王妃となったお方です。」
「幼少のみぎりより双子の勇者のお二方と懇意にしておられました。」
「どちらかといえば性格の明るい兄のアシュレイさまと馬が合っていたご様子。」
「大魔王との戦いが終わった後、巫女様とアシュレイ様がご結婚なされたのもうなずけますわ。」


「懐かしい、この命の輝きは勇者のものか。」
「勇者のいる時代とはすなわち大魔王の侵略に直面した時代。」
「暗い時代を生きる同胞よ。」
「始まりの勇者の戦いを語り伝えようぞ。」
「勇者たちは激闘の末大魔王討伐を成し遂げたのだが、それは多大なる犠牲と引き換えの勝利であった。」
「まず勇者たちの師である剣聖が死に、そして双子の弟・勇者レオーネが大魔王の呪いにより石となって絶命した。」
「人々が大魔王討伐の知らせに沸く中、泣き崩れる我が娘の姿はそれはそれは痛ましいものだったよ。」


子供との思い出を忘れた霊魂と話をする。
「待ちかねたぞよ、わらわにはわかる。」
「我が心の迷宮を探索したようであるな。」
「ならばわらわの記憶を呼び覚ます何かを知り得たのではないかえ?」
「大魔王の忌まわしき呪いにより勇者レオーネが石と化したとな?」
「!」
「そうであった。」
「大魔王は断末魔と共にいとしき我が子に石化の呪いを放ったのだ。」
「忌々しい大魔王め。」
「よくも、よくも。」
「ああ、ようやく思い出せた。」
「わらわは双子の母。」
「子供らは神の預言により大魔王と戦う運命を背負わされた。」
「わらわのもとに残ったのは上の子だけ。」
「下の子は部族間のいざこざに巻き込まれ里子に出さざるを得なくなったのだ。」
「そのうえ下の子は憎き大魔王が今際のきわにかけた呪いのせいで石塊にされてしもうた。」
「わらわはレオーネの呪いを解呪すべくあらゆる手を尽くしたが、ついに願いはかなわず。」
「その無念の思いがわらわをこの墓にしばりつけ悠久と思える年月がその思いさえ希薄にしたようであるな。」
「だがおぬしらの協力で再び下の子のことを思い出せた。」
「感謝するぞ、当代の勇者たちよ。」
「下の子は何も良い目を見ることなく死んでしもうた。」
「あの戦いを生き抜けば使命からも解放され余生を楽しめたろうに。」
「我が時代の勇者は双子。」
「アシュレイの他にレオーネという者がいたことをどうか覚えておいてたもれ。」