ドラゴンクエストX(DQ10) ネタバレストーリー まとめ

ドラゴンクエストX(DQ10)のメインストーリー、サブストーリーのまとめ

エピローグ 遥かなる未来への旅路

現代の王都キィンベルの民家にいるエミリエという女性に話を聞く。
「あなた主人公さんではなくて?」
「私はなんと幸運なのでしょう。」
「あなたが来てくれるなんてこれこそ運命というものではないかしら。」
「実は困っていることがありまして、よろしければ私の頼みを聞いてくださいませんか?」
主人公は頷いた。
「ありがとうございます。それでは早速お話しますね。」
「つい先日、ずっと行方不明だったマローネ様が戻られ荒れ果てたパドレア邸も修繕されたという噂を耳にしましたの。」
「早速私もお伺いしようと思ったのですが、転送の門が不調だとかでパドレア邸に行けないのです。」
「門の前にいるコルシャという兵士さんに説明を求めても原因究明中だとしか言わず取り付く島もない有様で。」
「さぞや難儀されているのでしょうね。」
「そこでコルシャさんを手伝い、1日も早く転送の門を復旧させてもらえないでしょうか。」


主人公は転送の門の前にいるコルシャに話を聞いた。
「申し訳ありません。」
「転送の門は原因不明の不調によりただ今使用できなくなっております。」
主人公はエミリエからの依頼により転送の門の復旧に協力したいと申し出た。
「ふむ、ありがたい申し出なのですが非常にやっかいなことになってまして。」
「私も手をこまねいておるのです。」
「門の不調の原因はおそらくパドレア邸などの浮島が移動し門に設定された転送先の座標と実際の座標にズレが生じてしまったせいかと。」
「一度転送の門を再起動させれば自動的に現在の座標に設定しなおされこの不具合も解消されるでしょう。」
「しかし困ったことに再起動は門の管理権限を持っている者にしか出来ないようになっているのです。」
「管理者はドミネウス王をはじめとした王国の首脳陣数名に限られているのです。」
「王宮消失時にどなたも行方不明・・」
「・・そうか。脱出してる可能性が残っていた。」
「あの日、転送の門を使った人の中に管理者がいるかもしれません。」
「今、門の使用履歴を調べてみます。少々お待ちを。」
門の中に入っていったコルシャが戻ってくるのを主人公はじっと待った。
「あの日、王宮が消える直前、最後に転送の門を使った者の中に門の管理者が一人だけいました。」
「ジャベリ参謀です。」
「しかし行き先がドミネウス邸とは・・どう受け止めればいいものか。」
「あの浮き島はすでに墜落しており今や廃墟。」
「無事に転送できていたとしてもガレキの中で生き埋めのはず。」
「あの辺りは辺境警備隊の巡回ルートだと聞き及んでます。」
「辺境警備隊詰め所に行って隊員たちから事情を聞いてみてください。」


辺境警備隊詰め所に行ってジャベリ参謀に話を聞く。
「君の事は覚えているよ。以前王座の間で会っただろう。」
「その王宮も襲撃の憂き目にあい消失してしまって久しいが。」
「王宮が異形獣であふれかえったあの日、私はかろうじて転送の門で脱出したのだがなぜか廃墟のドミネウス邸に飛ばされてね。」
「どうにかガレキを押しのけ廃墟を脱出したと思いきや魔物に襲われ重傷を負い長らく生死の境をさまよっていた。」
「不幸中の幸いか警備隊に保護され傷は癒えたのだがね。」
「私で力になれることがあるかな?」
主人公は転送の門を復旧させるために門を再起動させたいとジャベリ参謀に伝えた。
「浮島の座標を見失ったか。」
「確かに管理者による再起動が必要だな。」
「私が立ち会わなくとも合言葉さえ言えば再起動は可能だが、軍の機密でもあるし・・」
「いや、急を要する事態だ。君を信用し合言葉を教えよう。」


主人公は転送の門に戻りコルシャに合言葉を伝えた。
「さっそく教えていただいた合言葉で転送の門を再起動させてみます。」
コルシャは転送の門の中に入っていった。
主人公は彼が戻るのをじっと待った。
「やりました!主人公様!」
「門の再起動が始まりました。」
「しかし完了までに時間がかかるようです。」
「そういえばエミリエ婦人の依頼で復旧を手伝って下さったんですよね?」
「ならば婦人に報告してきてはどうでしょう。」
「主人公様が報告を終えて戻ってくるころには再起動も終わってますよ。」


主人公はエミリエに転送の門の復旧が間近だと報告した。
「ついに復旧がかなうのですね。」
「ご尽力いただきありがとうございました。」
「これでようやくマローネ様に大切な品をお届けすることが出来ます。」
「私が門の復旧を心待ちにしていたのは散歩中にある物を拾い、なんとしてもマローネ様に渡さねばと思ったからなのです。」
「これも乗りかかった船と思いもうひとつお願いを聞いていただけませんか?」
主人公は頷いた。
「ではこれをお受け取りください。」
主人公はエミリエから記憶の緑結晶を渡された。
「今お渡しした記憶の緑結晶をドドレア邸に住むマローネ様に届けるのが私からの新たな依頼です。」


主人公は転送の門に戻った。
「あ、主人公様。」
「ちょうど転送の門の再起動が終わったところです。」
「無事浮島の座標を再検索できたようで門の行き先に王家の温室とパドレア邸が登録されました。」
「王立アルケミアが登録されないのは気になりますが・・」
「これよりは転送の門をどうぞご自由にお使いください。」


主人公は転送の門を使ってパドレア邸に向かった。
屋敷の2階にいるマローネと話をする。
「あ・・あなたは主人公ではなくて?」
「よかった。あなたに会いたかったのよ。」
「メレアーデから聞いていたのであなたが無事なのは知っていました。」
「私の方は王宮で異形獣に襲われ目の前で息子を失った。」
「覚えているのはそこまで。」
「目覚めたらこのパドレア邸にいたわ。」
「メレアーデが看病してくれたようで回復も早かったのよ。」
「けれどメレアーデは王族のつとめを果たさなければならないと言い残して時渡りでどこかへ行ってしまったの。」
「あの子は多くを語ろうとしなかったけど、もし主人公が訪ねてきたら時間をかけて話し合ってとは言っていた。」
「けど話し合うって一体何のことかピンとこないわね。」
「あなたの方には何か心当たりはある?」


主人公はマローネにエミリエから託された記憶の緑結晶を渡した。
「エミリエと言えば以前うちで働いてくれていた家政婦長ね。」
「その彼女がこれを私に?」
「何かしら。さっそく見てみましょう。」
記憶の緑結晶からパドレが映し出された。
「私の名はパドレ。この結晶を拾った者よ。どうかこれを我が妻に。」
「エテーネ王国のマローネに届けてはもらえないだろうか。」
「心ある者に拾われていることを切に願う。」
「マローネ、俺は今エテーネの、いや、アストルティアに生きる全ての者の敵、時見の箱キュロノスと戦っている。」
「一人ではなく俺達の息子主人公とだ。」
「驚いている顔が目に浮かぶよ。」
「主人公は君の目の前で未来へ時渡りしたそうだな。」
「フフ、なぜ知っているかって?」
「俺は赤ん坊の主人公が遥か未来に時渡りしてくるのを見たんだ。」
「5000年後の未来で主人公は育った。」
「再会した時はメレアーデやクオードと同じ年頃の立派な若者に成長していたよ。」
「君ももうすでに会っているはずだ。」
「ファラスと共に君を救ってくれた主人公という若者が俺達の子なんだ。」
「主人公は5000年後の未来から俺や君を助けに来てくれていたんだよ。」
「マローネ、君が主人公と親子の再会を果たすことを願っている。」
「俺はもう君の元へ戻れそうにないが、主人公なら必ずやキュロノスを倒し君の元へ戻ってきてくれるだろう。」
「なにせ俺達の子だからな。必ずやり遂げてくれるはずだ。」
「君と主人公が再会する場に俺も居合わせたかったが。」
「どうしてもそれはかなわないんだ。」
「本当にすまない。どうか俺の分まで過ぎ去った時間を俺達の息子と埋め合わせてくれ。」
「名残惜しいがここまでのようだ。」
「愛してる、マローネ。」
「そして主人公、お前がこれを聞いているのならキュロノスを倒せたということだな。」
「よくやった。お前を誇りに思う。」
パドレは消え去った。


「ああ・・パドレ・・」
「あなたはもう帰らないのね・・」
しばらくするとマローネは落ち着きを取り戻した。
「主人公、あなただったの?」
「あなたが私達の息子なのね。」
「よく顔を見せて、主人公。」
「あの日に消えた私の赤ちゃんがこんなに大きくなって。」
「成長した姿だからこそ分かることもある。」
「あなたにはパドレの面影があるわ。」
「私とあなたは確かに親子。」
「これからはゆっくりと時間をかけて空白を埋め合わせていきましょう。」
「とはいえ、あなたにはあなたの都合があるものね。」
「でもこれだけは覚えておいて。」
「今日からここはあなたの家よ。」
「いつでも帰っておいでね、主人公。」
「ファラスは私との約束を果たしあなたを守り抜いてくれた。」
「だからこそこうしてあなたと再会できたのよね。」
「彼は今どうしているの?」
主人公は自分とパドレを守って戦い抜いたファラスの最期を伝えた。
「ああ、なんということ・・」
「最期までファラスはあの人の忠実な従者だった。」
「主人公、あなたはパドレとファラスが私のもとへつかわしてくれた希望だわ。」
「さっきも言ったけれどここはあなたの家。いつでも帰ってらっしゃいね。」


主人公はリンジャハル海岸南西の建物に入った。
書庫にリンジャーラの使用人レグルが書いた日記があったので読んでみる。
「リンジャーラ様の様子がおかしくなったのはエテーネ王国から例の記憶の結晶が届いてからだった。」
「だから僕はあの方が留守にしている時、例の記憶の結晶を机から取り出し内容を確認してみた。」
「それを見て僕の中にある疑惑が生まれた。」
「リンジャハル住民の失踪事件・・もしかするとそれにあの方が関わっているのではないかと。」
「僕はそのまま記憶の結晶を持ち去った。」
「万が一にでも尊敬するリンジャーラ様が疑われることのないように。」
「記憶の結晶はカニのからくり人形の中に隠してある。」


リンジャーラの日記があったので読んでみる。
「今日アイツの兄上から届いた記憶の結晶の内容に少なからず驚いたのは確かだった。」
「だがあいつはそんな俗物ではない。」
「憧れと嫉妬の入り混じった感情を抱きアイツを見続けてきた私にはそれが分かる。」
「おそらくドミネウス殿は何か誤解をされているのだろう。」
「あの記憶の結晶のことはもう忘れよう。」


主人公は隠されていた記憶の結晶を作動させた。
主人公が記憶の結晶をかかげるとなんとドミネウスの立体映像が現れた。
「エテーネ王国の友好都市であるリンジャハルの市長リンジャーラ殿。」
「貴殿にお伝えしておくべきことがある。」
「我が弟パドレは才にこそ恵まれているが目に余るほど傲慢で厚顔な性質。」
「旧友である君ですら内心見下している。」
「そのうえあの愚弟は野心に駆られリンジャハルを君から奪おうという奸計を巡らせているのだ。」
「リンジャハルの危機につけ込んではるばる恩を売りに行ったのはその策略の第一歩であろう。」
「そんな暴挙が許されてよいはずがない。」
「君はリンジャハルの長として早急に手を打つべきなのだ。」
立体映像はここで終わった。


主人公は現代の王都キィンベル北部の軍司令部にいるセオドルトという男性に呼び出されたので話を聞きにいった。
「おお、よいところに来てくれた。」
「君にひとつ頼みたいことがあるのだ。」
「今回の一連の災害による死者をなぐさめるため慰霊碑を建てることが先日決まりその手配を進めていたところなのだが。」
「メレアーデ様から待ったがかかってな。」
「慰霊碑の完成に合わせ必要になるものがあるがそれが見つからないとおっしゃっていた。」
「そこで私に代わりメレアーデ様の失せ物探しを手伝ってはくれないだろうか。」
「私は慰霊碑のほうで手一杯なのだ。」


メレアーデに話を聞く。
「まあ、セオドルトに頼んだ失せ物探しをあなたが代わりに引き受けてくれるの?」
「あのね、主人公。私が探してほしい物は時見の鍵なの。」
「そう、永久時環の封印を解放した鍵。」
「あのときクオードが鍵を使ったわよね。」
「でも軍司令部に運ばれたあの子はエテーネルキューブしか持っていなかったわ。」
「どこかで落としてしまったのだろうと城下をあちこち探してみたのだけれどどこにも見当たらなくって。」
「主人公、慰霊碑の完成前に時見の鍵を見つけ出して。」
「あれがなくては私達は前に進めないの。」


主人公はなんとか時見の鍵を探し出し、メレアーデに渡した。
「まあ主人公、時見の鍵が見つかったという顔ね。」
「私に渡してくれるかな?」
主人公はメレアーデに時見の鍵を渡した。
「ありがとう、キルア。」
「これで私達は前に進めるわ。」
「エテーネ王家はこの鍵でいくつもの時見に関わる重大なひみつを封印してきたわ。」
「王家の者だけが操れる超常の力。」
「そんなものにいつまでも頼っていてはエテーネ王国に真の未来は訪れない。」
「国に暮らす人達が心をひとつにして自分達の力を信じ未来へ歩んでいく。」
「それこそが今必要なことなのだと。」
「だから時見から離れることを示す為に、私の思いをみんなに知ってもらう為に慰霊碑の中にこの鍵を納めることにするわ。」
「主人公、手間をかけて申し訳ないけどこの鍵をセオドルトに渡して慰霊碑に納めるよう伝えてくれないかしら。」


主人公はセオドルトに時見の鍵を渡し、メレアーデがこの鍵を慰霊碑に納めると言っていた事を伝えた。
「なに?この鍵を慰霊碑に納めるとメレアーデ様がおっしゃっていたのか?」
「時見の鍵は王家に代々伝わる王家の証とも呼ばれるものだというのにそれをなぜ・・」
「は!まさかメレアーデ様はこの王国から王という存在を無くしてしまおうと考えておられるのでは?」
「思い当たるフシがある。」
「クオード様に代わり王位に就いてほしいと何度頼もうと聞き入れていただけなかった。」
「むう、そんなことがあってはならん!メレアーデ様をすぐ説得しなくては。」
「君も軍団長室へ来てくれるか。」


セオドルトとともにメレアーデの所へ向かう。
「メレアーデ様!主人公から聞きましたぞ!」
「時見の鍵を慰霊碑に納めたいとはどういうことなのですか?」
「時見の鍵はエテーネ王家の象徴。」
「まさか王制を廃止しようなどと思っておられるのではありますまいな。」
「そんなことをすれば今は亡きクオード陛下がどれだけお嘆きになることか。」


メレアーデが言う。
「落ち着きなさい、セオドルト。」
その時、メレアーデが持つエテーネルキューブが光り輝き、クオードの声が聞こえてきた。
「姉さん・・」
「どうかエテーネ王国を・・新しい未来へ導いてくれ・・」
エテーネルキューブが砕け散りメレアーデの身体に吸い込まれていく。
メレアーデの髪の色が以前の色に戻り、時渡りの力を取り戻した。


セオドルトが驚く。
「メレアーデ様!おぐしの色が以前のものに戻っております!」
「これはクオード陛下のご遺志が起こした奇跡に違いない!」


メレアーデが言う。
「エテーネルキューブがクオードの思いを伝えてくれたのね。」
「時見の鍵を慰霊碑に納めたいと言ったのは私達が時見の力に頼らずに生きていくことを示すため。」
「それはきっとクオードの望んだ新しい未来へ歩みだす為に必要なことです。」
「分かってくれますね、セオドルト。」


「先ほどの非礼、どうかお許しください。」
「あなた様のご意思はクオード陛下のご遺志。」
「私もしかとこの身に刻み込みました。」
「このセオドルト、一命を賭してエテーネ王国の未来のためメレアーデ様のお力となりましょう。」
「取り急ぎ慰霊碑の完成を目指さなくては。」
「手配はすでに済ませておりますので後は配置に取り掛かるばかりです。」


メレアーデが言う。
「分かりました。」
「慰霊碑が完成したらクオードの死を国民に伝えるつもりですのでそちらの用意もお願いします。」


セオドルトの指揮のもと大急ぎで慰霊碑の建造が進められていった。
ほどなくして慰霊碑は完成し、そのお披露目の式典が国民を集めておこなわれることとなった。
式の場でメレアーデによってクオードの死を告げられた王国の民は動揺を隠すことが出来なかったが、時見の力に頼ることなく自分達の足で新たな未来へ歩みだそうと強く語るメレアーデの姿に希望を取り戻していった。
「皆さん自身の足で輝かしい未来へと歩みだしましょう。」
「エテーネ王国よ、永遠なれ!」